第83章 剪定
ケイト『侑子…俺は、さ…
信じているからって理由で、見ないで笑ったり、何もしないなんてことはしたくない
ただの怠慢と一緒だから
あくまで自分の意思だ』真剣
侑子『いいのよ、それで』ふふっ
ケイト『へ?』
侑子『それが一番大事な根幹なのよ』微笑
ケイト『……?;
誰でもやってるだろ?』
侑子『そんなことはないわ←つまらなそうに手を振る
都合の悪いことほど、人に着せ勝ちな人の方が多いものなのよ…
だから…この世は腐りやすく出来ている
その方がうまくいくから、なんて理由で…それこそ気軽にね……
だから…この世はいつまでも地獄と隣り合わせ、地獄落ちの方が多く出来ている
地獄落ちの人は…まだ罪が小さい分、それだけで済んでいるけれど…
もし仮に、人に、状況に、着せるようになれば…容易く癌にまで転げ落ちてしまう
たとえ――神であってもね
そこは共通しているのよ
だからこそ――意義がある
背負うという価値が
自らの起こす行動、それには誠意を持たなくてはならない
背負うという根幹が、何よりも必要となるものなのよ…
決して欠かしてはいけない根幹としてね?
背負うからこそ、誠意が産まれる
罪を背負うからこそ、償う
責任を背負うからこそ、無責任に何でも行動に起こすだなんて悪状況に陥らない
皺寄せを背負うからこそ、人に悪影響が及ばないようにと心掛ける
後始末を背負うからこそ、後始末をしてくれた人へ感謝したり目を向けることが出来るようになる
目を向けるというだけの簡単なこと、『見る』ことから出来ない人の方が実は多いものなのよ
自分にとっての印象が第一で、上辺だけを大事にしている方が多い
癌はその典型、あくまであなたの所(世界)に居る癌はね
あれにあるのは自分の感情だけ…周りへの悪影響を減らそうだなんて心掛けから出来ないわ
何かをやり遂げるには、覚悟と誠意が必要
その根幹こそが『背負う』ということ…
その自らの起こした言動も、その罪も、それで起きた災いも、
人のせいにしたりせず、状況のせいにしたりせず、自分のものとして向き合い、背負い、逃げないこと、目を背けないこと。
その上で動くのよ…どう選択するか、どう返すか、どう起こすか、どう繋げるか
それら全てで、『背負う』という行為なの
それが出来ない内は、独り善がりにしかなり得ないのよ』
