第83章 剪定
どごおおおぉんっっっっっ!!!!!
凄まじい轟音が、つんざくように辺りに響き渡る
建物に絶えず走っていた震えが、更に増す
崩れ落ちる中…僕はあいつ、その総帥とされる男の襟首を掴んで、飛んだ
テラン国に居る、皆の元へ――
最後の一撃…それを最後に、建物は全て瓦解した
ケイトの『ジェット・ブラスト』でガタが来ていたんだろう
建物も、異空間も、その全ては闇で出来ているから…
それらが辛うじて、糸が引っ掛かっているかのようにギリギリの所で踏み止まっていた
恐らく――中に居る人達が生きていて欲しいから…その想いを受けて、力はそれを叶えたのだと思う
だから…全員の避難が完了するまで、僕等以外が離脱するまで、維持されていたんだろう
してくれていたんだろう…
フィン「ありがとう」
ポツリと呟いた言葉に…中に残った光が瞬いた
そして…力を貸してくれた
即座に飛べるように――
それに甘えたまま…飛ぶことを、僕は迷わず選んだ(微笑)