第82章 光芒(こうぼう)
その頃…
外ではどうなっているのか
それさえも何も感じ取ることさえも出来ずに、痙攣が解けるのをジッと待った
捕まってから、どれぐらい経っただろうか…
数分ぐらいは経っただろうか…
痙攣が解けてから、辛うじて身を起こし、辺りを見渡すと…
そこは、2畳半はあるだろうかといった奥行きに広い、細長い部屋だった
明かりは小さな窓だけ
月明かりが照らしているように見えた
だが…
連れ去られた時刻は昼2時だったはず
入れたものの時間間隔を狂わせる為のものだとすぐにわかった
ケイト「高い…とても登れない」
2.5mを超す天井の高さに、呟きが零れ出た
手錠をよく観察してみると、腕が捻れない形になっていた
手を組むことしか出来ず、腕周りは動かせず、手錠の内側にビッシリある真っ黒な色をした電極パッドのようなものが滑り止めになっていた
5cm大の太さと厚さをした腕輪が密接に繋がり合ったもので、冷たい銀色の金属だった
そうでないのは内側だけらしい
何故か見ているだけでゾッとした
直に触れたまま、決して離れず、長袖の上着は半袖に捲し上げられたまま…
ピッタリと吸着されていて、微動だにしなかった、する由も無かった
すぐに外そうと魔力を込めて力を強めるも、すぐに抜けていく感覚がした
ケイト(しまった!壁に体当たりでもすれば…
いや…どちらにしても無駄だ
かなりの厚さだったのだから…叩き付けられた時の力の方が強い!)
まだジンジンしている背中を見て、考えを改める
こうしている間にも魔力は吸われている
それも段々と強くなっている!壁と違って…
恐らく…だが、魔力増幅の術式が込められてるな、この手錠は
くらくらとする感覚が増すばかりになっていく中、何とか頭を働かせる
幸いドアには窓がない
だが、まずは手錠を破ってからだ!
全ての魔力を、手錠周辺に!!そして強化して引き千切る!!
ケイト「!!」くらっ!
すぐさま襲ってきたのは…
眠気だった
どさっ
あまりの脱力感に座ってはいられず、正面に倒れ伏す
意識を体内に向けると…
残りの魔力が、あっという間に半分以下に落ち切っていた
これ以上は命に関わるかもしれない
だが…
ケイト(試してからだ!!)ギリッ!!←歯噛み
せめて一矢報いようと全てを込めて炸裂させようとした瞬間…