第82章 光芒(こうぼう)
ケイト「!フィン!!」
フィン「え?」左側へ振り返る
どんっ!!
突き飛ばした瞬間、黒い何かに吸い込まれた
原初の始祖神(ダメ!!)
『ケイト!!』
皆が手を伸ばそうとする光景を最後に、忽然と姿を消した
ロキ「!!」
フレイヤ「どうしたの?ロキ」
ロキ「ケイトの恩恵が…消えた」
念の為、ムー連邦の始祖神の涙の傍に避難中の神達に反応が起きた
闇に覆われた瞬間、
ケイト「くそっ!」
吸い込まれた先にあったのは…行き止まりの通路だった
壁を叩く中、なおも動かないそれに歯噛みした
そして次に気付いたのが…
ケイト「!!」瞠目
ローブが…腕輪が、無くなっている?
いや…違う!
(すっ)←目を瞑り魂に意識を向ける
(ほっ)
よかった…ちゃんと、魂の中にある
だが…武器が無い
魂の力、脈動、神器、神霊、神の力、全て出せない、全て使えない…←出そうとしても使おうとしても震えしか起こらない
共通点は『魂の力』…魔力は問題なく使える
だが…)
吸い取られているな」ぽつり
『魂の力』に類する全てが封じられている
いや…『恩恵』もか!
神の血とは…神とは、本来魂そのものであって、実体ではない
一時的な借り物に過ぎないし、効力を発揮するのも神がいる間だけでしかない
と、いうことは…無限大の魔力も力も何も使えない
ケイト「隔離された?」
繋がりごと
魔力と武力しか使えない状態なのは間違いなさそうだ
壁に触れると、それだけで魔力が減る感触があった
術式が刻まれている…来た者の魔力を基に発動するらしい
微量だがヤバい…オブ、オブシディアン?みたいに魔法に対する耐性があるようだ
壊れないな、これは……
ダメだ…
霊感で見えるのにも限りがある…
これ以上の魔力の使用は危険
早いとこ脱出しないと命に関わる
ウルとグラを置いて来て本当によかった!
ケイト「一本道か…
(誘い込まれている可能性もあるが…
行くしかない!」
ざっ!
微かに感じる魔術の気配
ケイト(神器よ、武器を出してくれ)
シグマ(やってみる)
ケイト(グラン・バースト)
くらっ
ダメだ、やめた方がいい!
壁に真似されている!;
吸い取る力が増すのを感じて、即座にやめた
パイオニアだけ、辛うじて出せた感じだった
ケイト「久しぶりだな…」すっ