第81章 結び
弱音を吐けるのは僕だけだと言うケイトの言葉に…
僕は、それだけは済まないと素直に謝った
その場ですぐ頭を下げて
そんな!;気にしないで!;
と泡食ったように逆に謝られた
いつもそんなことを続けてしまう私にも非はある、と
フィン「抱え込んではいないんだね?」
ケイト「うん!
約束したもんっ!」ひっく
未だ涙目で、目に一杯涙を溜めた状態で僕を見上げて双眸を見つめてこられた
困ったな…
情報が本当に多い…
それも――重要なものしかないと来たものだ;
弱った;
個の尊重――
心の開放
抑え込んでいた心の開放
それを望む本質を持つもの
それが…始祖神であり、剪定者であり、ケイトそのものでもある…と
理屈ではわかってはいるんだが…;←腕組みし頭捻る
頭痛の種の目白押しに、僕は頭を悩ませるばかりだった
つまり…
全ての操作権を常に持っており、尚且つ実在する世界や魂を全て自分の好きに存在出来ないように出来るということ
つまり…力を狙われて取られてしまえば…大変なことになる;
大変なんてものじゃない;
そもそもが、剪定者自体が…ブレーキの役割を果たしている
始祖神という強大な力の抑制弁といった所だろうか…
だが他者は、剪定者なんて心は持ってはいないだろう…ましてや始祖神という本質も持ってはいない
と、言うことは…だ
そんなものに制御なんて易々と出来る訳もなく…逆に取り込んだ側が消滅してしまう
好きにしようとした結果、癌に陥り、消滅に至ってしまうと…
些細なことでも…始祖神が、次期始祖神が、いずれかが無くなれば、魂が死ねば、消滅すれば、全てが虚無に帰すということ『だけ』は『よぉ~く』わかった
うん…大事な所だからね←瞑目し腕組みしたまま深く、大きく頷く
実在するかしないかの行使を、『しないよう徹底している』
それで、「自分ひとりの好きに何でもし他を顧みない」という「癌化」を防いでいる、という訳だね
もししてしまえば、癌と同じになってしまうから
この場を借りて、はっきり記しておくが…
ケイトは癌ではない
次期始祖神は、癌にはなり得ない
始祖神『私が守ってるからね!♪』キラン!
他ならぬ始祖神が、ケイトの魂の内から守っているからだ
ケイト本人の努力ありきというのも大きいそうだ