第80章 願い
黒鋼「……
まさか…
自分だけ犠牲になろうとしてるんじゃねえだろうな!?」
ケイト「…ならない」
黒鋼「!(瞠目)
(…本気か?
だが…嘘は言ってない目だ)
そうか…ならいい」ぱっ←手を離す
ケイト「いいの?」
黒鋼「今は見逃してやる
もしやったら―ただじゃおかねえ」ギロ!
ケイト「…(微笑くす)
ありがとう」
黒鋼「けっ!」
ズカズカ!
モコナ「どういうこと?」
ファイ「黒様はね、心配したんだよ
ケイトちゃんのことだから、小狼君のように無茶するんじゃないかーって
まあ否定できないのが痛いところでもあるんだけど」
ケイト「本当にそうだよ…
伝えないことを選んだ
それが後に、対価になり得ると願って…何も伝えずに」
小狼「でも…そのお陰で、辿り着けた
感謝している
写し身達も…あなたに感謝していた、心から」
ケイト「!(じわっ)
っ(涙目)
(ふいっ)←そっぽ向く
……ありがとう」ぐしっ←強引に出かかる涙を拭う
ファイ「気負ってたんだねえ~」
桜「うん…(涙目)←嬉しそうに微笑する
あなたに出会えて、良かった」
しみじみとした空気が辺りを包む中…
黒鋼「何終わった空気出してんだ!これからだろうが!!」
怒号が飛んできた;
モコナ「モコナも行くう~!♪」ぴょぉんっ!!
黒鋼「引っ付くんじゃねえ!白饅頭!!・・」
『はっはっはっはっはっはっはっはっ^^』
大丈夫…
道はまだ、閉ざされてはいない
癌(飛王)が作った閉じられた輪の中から抜け出す為に、写し身も皆も全てを尽くした
だから――私も全てを尽くす
無駄にさせない為にも
報いる為にも―
写し身の身体を再生するよりも前に、ある所へ連れて行った
義手だ…
再生医療に関しては断られた、自戒も込めて完全に治す気は無いらしい←2041ページ参照
なので…せめて、と渡した
断られるのは…何となくわかってたから
ファイ「水毛布だっけ?←4254ページ参照
よかったねえ
黒鋼の為に作ったんじゃない?」
ケイト「あー…
そんなことはないよ;」そっぽ向き&音程ぐちゃぐちゃ&動きガチガチ&震え
黒鋼「嘘つけ!!・・
あー
(ガシガシ)←後ろ頭乱暴に掻く
悪かった
取り消す…
お前は…肝心の根っこは、寄り添う心は、変わってなかった」