第13章 結婚式と初デート
噂をすれば影が差す、そう僕が伝えてケイトと連れ立った矢先にガレスとベートが男湯から出てきた。
リヴェリアとロキは既に食事を貰いに行った。
17時10分、僕らはようやく広い場所を陣取れた。
それも穴場となる場所をケイトが精霊導で見つけてくれたらしい。
クリエイトで15m四方のシートを作ってもらい、そこに座った。
ケイト「空いててよかったね」
フィン「少し早すぎたかな?」
ケイト「でもお陰で晩酌や御飯に集中できるよ^^」
フィン「…//
ケイト、前から言おう言おうと思っていたんだが…」
ケイト「?何?」きょとん&首傾
フィン「…もし、何かあれば抱え込まずに話すようにしてくれ。頼むよ」真剣
ケイト「…わかった」こく
ティオネに好みを教えたのは、本入団した時に聞かれたからだった。
フィン『ンー、まともな人格さえあればそれで十分だけど……
敢えて言うなら、お淑やかな人物が好ましいかな?』
僕の惚れたケイトは、十分過ぎるくらい環境とは裏腹にまともだった。まとも過ぎた。
どこまでも相手主体で、自分を蔑ろにしてばかり。
だからこそ、不安になる。
いつか…自分を投げ出して殺してしまうのではないかと……
少しだけ、不安になった。
常人ならば既に自殺しているような独りきりの環境…
それを知っているからこそ、余計に不安は増す一方だった。
そんな折、シートの上で何かが動いた。
フィン「?」
ぴとっ
何を思ったか隣にいたケイトが僕に近付き、僕の頭の上に頭を乗せてきた。
フィン「!//」どきっ
ケイト「ふー」安堵
何やら落ち着いたように息を零すケイトに…先程の不安は消し飛んだ。
そんなケイトに、僕は無意識の内に腰を右手で抱いた。
ケイトはされるがままで、少し時間が経った頃には寝息が聞こえた。
ここまで信頼されると逆に何も出来ないな^^;
無防備にもほどがある…
苦笑交じりにそう考える中、時間は止まることもなく、瞬く間に過ぎていった。