第79章 合一の先
『なるほど…』
フィン「歪められた形で固定するから
そして悪が増える一方だから
魂が耐え切れずに壊れて、自壊して、消滅してしまう」
リヴェリア「歪められた善悪とは…悪の方が比重が多いのに、無理やり善だと捻じ曲げる
その固定化を意味していたということか!」
ケイト「簡単に言うとそう(こくり)
街を壊して回る、国を消滅させる
それは善か?
悪だろう
繰り返さないべきだろう
それを善だと歪めるから癌なんだ、繰り返すから癌なんだ
ずっと咎められないべきだと、咎められるべき行為を咎めてはいけないと、咎めた側を悪だと自分に都合良く歪めて咎めるから、癌になる
歪みそのものとなって、シーソーが壊れて、魂が壊れて、消滅する
沢山の人にそうさせてしまう
それが癌
癌の証
必要だから、仕方ないから
だから、咎められないべきなの?
咎められるべき行為は、咎められないべき行為、繰り返していい行為へと裏返るの?
それは歪みだろう?
だから……癌なんだ
繰り返さないべきことを、そのままに「繰り返し続ける悪」を、『善』だと歪めることは出来ない
それを善だと無理強いするから、全体を無視して、その傷も痛みも尊重せずに、何もせずに許せと、繰り返しながら善だと認めろと、無差別に強要して回るから…凝り固まった、限度を弁えない正当化と化してしまう
それそのものもまた…「悪」であり、『善』という行為では決してない
歪みそのものであり、その身も、心も、朽ちさせてしまう
自分で、自分を腐らせていってしまう……
だから…より一層、罪深いんだ
根腐れ病
それが癌の別名で、根とは魂のことを意味する
深度というのは
魂の奥深くまで根腐れが起こっているか、それとも表面だけか
その判別の為に、刺激を与えているだけに過ぎないんだって
本来ならば…悪を繰り返せば、悪の方が重くなって傾くんだ。
それを善だと捻じ曲げるということは、無理に上に上げて固定化する行為であり、それを強いるということ。
つまり、それそのものが歪みなんだ。歪みという形の固定化なんだ。
自然なら、悪の方に偏っていて、善だなんて思わない。
善だと歪める行為を、その無理強いを、癌と呼ぶ。
善へ転じる行為を取れない存在と言った方が、正しいのかもしれない…
そもそもが、全体のことなんて視野に入れないから……」
