第78章 火の都
龍神「そう気落ちすることでもない
どう受け継ぐかは、全てお主に任せる
だから…そう気に病むでない」
ケイト「いや…何も知らなかったから、さ」
龍神「うむ…10歳の時に亡くしたようだし…
そもそもが、おらんかっただろう」
ヘファイストス「一ついいかしら?」
龍神「む?
よいぞ、なんだ?」
ヘファイストス「差し出がましいかもしれないのだけれど…
何で、私達が天界から降りた時に、あなたも降臨したり、伝えたりはしなかったの?
蹂躙されるばかりの状況も、全て知った上で…‥」
龍神「契約だから、だ」
ヘファイストス「契約だから?
だから――
何度死に掛けて、精神まで、感情まで、その全てを見捨ててもよかったの?」
ギロリ、そんな音が聞こえる程の睨視と共に、二回りも大きい龍神を見上げ、真剣な表情で睨んだ
椿「おお…怒っておる」
アーニャ「そんなにニャ?
表情は特に変わってないニャ」
椿「いや…完全にブチギレている時ほどああなるんじゃ」ひそひそ
龍神「試練だ…主も知っておろう?」
ヘファイストス「ええ……
知っているわ…
でも………
家族でしょう?
たった一人の
遺された」
龍神「それ(新月の海を南に進む)以外で降りる訳にはいかなんだ
救援信号のようなもの
それ以外での接触を断つ代わりに、あの当時に力の全てを捧げたのだからな」
ヘファイストス「……‥
なるほどね
つまり…
前借り、その対価としたのね」
龍神「そういうことだ…
でなければ、あ奴の想いに報いてやれなんだ
結果はどう在れ、力を後に及ぶまで使い切ったこともあり、こういう形しか取れなんだ
それ程に…ひっ迫しておったからな、あの当時の戦いは」
フィン「そうか…
所で…ケイトとは、どういう意味合いだったんだい?
パルゥムの古代の言葉では、『純粋』という意味合いだったのだが」
龍神「ああ…
我等龍神の内では、こういう意味合いだ
『ケイト』とは――『太陽』
『天と地の橋渡し』…『全てを繋ぐもの』……
それがケイトという名の、真の意味だ
パルゥムに、人という種族に、最初に授けた名だ――
我が…最愛の娘だ
の?」キラキラ
フィン「何で僕を見るんだい?^^;」
龍神「魂まで見えておらんと思うなよ?」にやり
フィン「はははっ、参ったな…;」