第77章 新時代の幕開け
ケイト「あれ?
そう言えば…ヘレイオスの祖父は?」
フィン「ああ――雷神だろう?」
ケイト「あ…そうだったっけ?」
フィン「ああ、間違いないはずだ
それが何か問題でも?」
ケイト「ううん、気になっただけ
一瞬」
フィン「……そうか」
粗方伝え終えた後…黙り込んでしまった
ケイト「…………
なあ……フィン」
フィン「ん?」
ケイト「………私は――なんなんだ?」
フィン「………君は――君だろう?」
ケイト「ああ……
だが……」
フィン「やれやれ苦笑)
たとえ……
君がなんであったとしても、関係無い
それで――何か変わるのかい?
起こったことが、無かったことになるとでも?」
ケイト「ううん……
ごめん…
ただ…少し、不安になったんだ……
多分…ラピュタには、天の精霊界には、きっと…私でも知らなかったことを、知ることになると思う」
フィン「……怖いのかい?」
ケイト「怖い…
でも、それ以上に…
何も知らずに、盲目的に信じ切ることの方が、よっぽど怖い」
フィン「…(くす)
…はははっ^^
実に、君らしい答えだね」微笑
ケイト「そう?」
フィン「ああ…(目伏せる)
……とても…前向きな答えだ
逃げなんかはしない分、ね?」ウィンク
ケイト「私がいつ逃げたって?」
フィン「そうは言ってない
だろう?」くす←いたずらっぽく笑い掛ける
ケイト「全く…
いっつもそうだ(眉顰め嘆息)
ま…そこも大好きなんだけどね^^」くす
フィン「…はははっ^^」
ケイト「あっはっはっはっ^^」
「「あはははははっ^^」」
声を揃えて笑い合った
が、それは誰の耳にも届くことは無く、さざ波に消えていった
天上に新月が上ったのは11時52分――
すなわち今夜
何かが起きるのだろう――
その迎え方が気になるが…
ただの一度も無かった
精霊王の半身を引き継ぐ者だけに代々伝わる掟、「新月の夜には海に出てはならない」という戒めがあった為
本家、いや…十字架(精霊王の骨)と共に引き継ぐ戒めらしい
ケイト「私はずっと、「新月の夜は暗いから危ないよ」って意味だとばかり思っていた
「海は荒れやすいものだから」って言われてたんだ
でも…これで、説明はつく
何で…これまで海に出てはならなかったのかを」