第77章 新時代の幕開け
『自分で巻き込んだ人達』の為に「動かない」人
それをも正当化して責任転嫁するから、「歪む(歪み)」
以上を、癌についての追記として載せておいた…
「なるほど!」
「癌に染まるってのは、癌へのイメージに縛られるってことか」
「ってことは、肝心の「動かないまま、悪いことしてませんよ?って笑って、間接的に殺した相手と善人面して接して、それをした街に居座って笑っていられること」が見えていないのか…
そこを問題視しろってことか?」
「問題視する以外の選択肢が無い!!」
「癌ってデリカシー無さ過ぎな」
「それな」
「無神経にも限度があるよ」
「うん」
「多分、自分にとってでしか見えてない
つまり、勝手に大丈夫だって思い込んだんじゃないのか?」
「思い込みで殺されたらたまりません、された側は特に」
「一番の被害者はその遺族だよな
癌の都合一つで大事な人殺されたり家壊されたりで、ずっとずっと振り回されなきゃならないんだもの」
「国外に逃げるしかない」
「でもたまたま旅先が一緒だったとか」
「うげえ」
「重なるだけで地獄絵図の予感」
「逃げろ、逃げるんだ!!」危機一髪風に…←黒ひげの真似
「とりあえず…限度を弁えない正当化に凝り固まった自己中、ってことはよくわかった」
「それ」
「ほんとそう」
うんうん、と二度頷かれていた…
大いに反響と同意を得ることが出来た
どうやら価値観が似ているものにしか理解出来なさそうだ…
まあ、仕方ない‥過ごしてきた人生も違うのだからね
そう、区切りを付け…市民カードから目を離し、のんびりと過ごすことに決めた……
潮風が心地よく辺りを吹き回り、僕等を包み込んでいた…
釣りに勤しむ船員に、笑う声…
普段とは異なり、穏やかな時間を過ごしていた
随分と、騒がしかったからね…この4日、いや、5日間は……
終わってよかった、いや…無事乗り切れてよかった…‥
そうも思った
癌に加担したり、癌化の後押しをしていれば、消されていたのは必至
今はもう――そんな危機に晒されることも無い
癌は確かにこの世にいる…
決して無くなりはしないだろう
だが…
皆がいる
すぐ傍に、愛おしい人がいる…
その幸せを、しっかりと噛み締めておくことにした…
いる内に…
きっとそれは…今しか出来ないから――