第77章 新時代の幕開け

癌というものは、神であってもなることもある

だから――心底、気を付け続けていないといけない
だから――ケイトは、自身に対する厳しさを捨てられない


癌が、自身の癌化を踏み止まらせるのは、本人如何であって、人が働き掛けて出来るようになるものでは決してない
自身で決めて、踏み出させなければ、何にもならない

だが、癌に至った時点で、その機能が排されてしまう
だから必然と、避けられない形となる

未然に防ぐ為の努力を怠ってはいけないのだ



要は――「人のせいにして責任逃れする」より、「正当化に走り続ける」より、『責任と向き合って背負え、果たせ、繰り返すな』、ということだ


癌の神と、ギルドの主神は、
それを怠り、在り方ごと正しいものと扱い続けた結果、
公私混同して無罪とし、被害者と目撃者を黙らせて情報統制した結果、
神であったにも拘らず、癌に肩入れしたことで癌化し、消されていった

当たり前のことだろう、癌が癌として生きれるよう後押ししたのだから



癌は…人を大事にしていない
誰かを大事にする為に、自ら一方的に巻き込んで害して回る

必要だったから、と言い訳（正当化）し、また繰り返す

だがそこ（本末転倒）を認めない、根本（根っこ）を見ない


無理を一方的に押し通す（苦しめて回る）、
無責任な押し付け（その想いを無いものとする）、
限度を弁えない正当化（正当化に走り続け、人へ正当化を求め続ける）、
の無限ループ

歪みの根源たる理由は、そこにある



というのは、散々言ったね…重ね重ね済まなく思う



申し訳ないのだが、怒りが冷めやらないのが本音だ。
癌に振り回される立場を考えても見て欲しい。
一方的にやりたい放題されて不始末を全て押し付けられて！気分が悪い！！

実の所を言うと…せめて神でなら何とか、だなんて言い出してまた無理する、教えようとする異世界のケイトを止めるのに、異世界の僕は奔走してばかりなんだ。


フィン「本当に嫌気が刺す！！）
～～～～；」がりがり
言いようのない想いに、頭を乱暴に掻く

本当は優しい人なんだ、だとか噓八百にも限度がある！
癌に優しさは無い！！断言出来る！！あっても自分自身への優しさだけだ！！！
癌に夢見るのも、希望（幻想）を抱くのも、いい加減にしろ！！！（イライラ）

ケイト「大丈夫？；」心配し顔覗き込む