第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
だからこそ…より一層、愛おしいんだ
ぎゅうっ
飛びながら、腕の中に閉じ込める
ケイトの心の傷、溜まりに溜まった膿
吐き出せない気持ち、想い…その全てを、ようやく、さらけ出してくれた…
今という生きる形を作り出すまでに…途方もない辛酸を飲み込んだまま
誰にも吐き出さず、当たり散らさず、巻き込むまいとしたまま…
たった一人ででも、守り抜こうとする、その背だけは…変わらぬまま……
どう在っても変わらないのだろうね…
少しでも、その苦しみが、痛みが、減って欲しいという『心』が…
『魂の根幹』…『根っこ』が…
だから、自分の苦しみや痛みを、無いものとしてしまう
してでも…減って欲しいと願い、動いてしまう
全ての責任を、痛みを、想いを…一身に、抱え込んだまま……誰にも言わず、縋らず、甘えないまま……
始祖神「自分の望む形(理想)←ケイトを指差す
私の望む形←自身を指差す
同じじゃない
一つじゃない
なのに、
「自分の」だけに凝り固まって、『他』を受け入れられなくなって
無理を一方的に押し通す為に、苦しめて回って
そんなつもりはないからと、正当化を自他共に求め続けて
限度を弁えない正当化を求め続けるようになって、「癌」へ至る
「自分の望む形」=「理想」にばかり拘ってはダメ
それを無理に押し通す為に、人や事情を理由にしてもダメ
その無理を、一方的に押し通す為に、苦しめて回ってはダメ
それが癌の始まりだから
だから…一つのやり方、在り方に拘り「過ぎ」ないで」
ケイト「う…ん;」ひっ
フィン「ケイト…」そっ←頬に手を添える
ケイト「?」ひっく
フィン「話してくれて、ありがとう(微笑)
辛かったね…
きっと、話すのも…本当に辛かったろう(君にとっては…」頬を撫でる
ケイト「う…んっ
でも、辛いのはっ、誰だって抱えて」
フィン「でも…僕がいるから」微笑
ケイト「!」瞠目
フィン「僕は…君から、離れて行かないよ?」
ケイト「うるっ)
うっ
ひっく
わああああああああ;;;
あああああああああああああああ;;」
双眸の目から、瞬きと共に、涙が次々に、ボロボロと零れ落ちていく…
僕の胸に顔を埋め、強く抱き締め、慟哭を上げた
フィン「大丈夫…
君が死ぬ、最期の瞬間まで…傍にいるよ
生きて、必ず」抱き締め微笑
