第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
別れ際に、そんなやり取りをした。
深海にある断崖絶壁とも言える崖の上で、
海が空気を読んでか、ざっぱぁん!となっていた。
流れが特に激しい場所だったかららしい。
僕とケイトは一緒になって、クゥーと共に水となって水中を飛んでいった
もう一つの目的地へ向けて――
始祖神『消える時は一緒よ
あなたが消える時が、私の消える時(ぴとっ)
大好きだから』
ケイト『消える気はないよ
私も、皆も…
全体の為になるのは、こっちだもの
大好きだから
だから…生涯、この道を行く。歩いてゆくと決めたから…』微笑
始祖神『知ってる♪』るん
心の中の会話も聞こえてきた
始祖神曰く、
「人に対し、限度を弁えない、線引きを超えた迷惑をかける、苦しませて回る」
といったことをした上で正当化し、人にも、された人にも正当化するよう求め続ければ、
「「限度を弁えない」正当化」に該当する。
その為、自分を大事にというのは、度を過ぎれば癌になる大本なので、
今のケイトの対応自体は大丈夫とのこと。
でも自分を粗末にはしないで、とのことだ。
寧ろ、『人を大事にする為』に、
自分に『ブレーキ』を掛けたり、『自制する』ことが『大事な根幹』なのだと言う。
その『心』こそが、『気遣い』であり、『優しさ』であり、『真に人を想う』、『大事にする』ということなのだとか…
その為に『悩み、考え、学ぶこと(生かすこと)』、それこそが『成長』であり、『神』なのだという…
『光そのもの』とされる根源はそこにある……らしい。
結論を言うと…
癌は大概、状況や人のせいにして自己責任を蔑ろにする、自分大好きな弱い人物に多く散見される。
と、纏め上げられた。
仕方なかったから、と、減らす努力に起こさない、自制することへ繋げない。
だからまた同じ失敗を起こし、繰り返す。自分以外の無関係な人や国が迷惑を被り、犠牲になる。
だがその心を、痛みを、想いを、いつまで経っても汲まず、行動に起こさない。
つまり…全ての想いを無視している。自分のやりたいことだけやりたい放題、それも一方的にやっている。
その結果、自ら、自分以外を無いものとしているのだが…そこに気付けないのだと……
つまり、変化が無く、成長も無く、自分の中の「やりたいこと」のみとしか向き合わない現状がずるずると続く。
