第75章 神器、覚醒
ウォータージェットを知っているだろうか?
ガガガガガ
何かが削る音が、重く、鋭い振動音と共に響き、振動が伝わってくる
ビシッ――
目の前の土壁にヒビが入る
元来ならば、水は土に弱い、吸収されるからだ
だが…その相性を覆すことがある
水を圧力を掛けながら細く限局させて放出し、超高圧水流にすれば
土の中でも、自然鉱物で最高硬度を誇るダイヤモンドまでをも、
ありとあらゆる材質を、熱影響なく切断することが可能となる…
目に見えない程、薄く張り巡らされたウォータージェット(超高圧水流)が、
無数に辺りに散りばめ、破片を取り込みながら、狭まってくる…
ケイト「水破斬(すいはざん)――螺旋(らせん)!」
円状に鋭く薄い刃の水流を繋げ、永久的に回転させ、螺旋のように連ねて起動する
その不可視の水の刃を、防護用として無数に身に纏わせたまま、
僕等に対しても、囲うように出し、水流の直径を範囲を急速に狭め出した…
土が壊れて狭まっていく
迫る目に見えない刃に、僕等は自然と中央に集った
先程のガレスの破砕で、地面に空いた穴に身を縮め、防御態勢に移った
何が触れても切れるだろう。
それは容易く予期される内容だたt
誰の目にも、逃れる術が僅かたりともない程に、隙間なく、展開されていた――
だが……
フィン「…雷化(らいか)」ぽつり
僕は素早く、全員を自身の神の力で覆って包み、丸ごと雷に化させて透過させた。
だけでなく、擦り抜き際に感電を狙った。
が…
フィン(やはり…対策されている、か)
純水で身を纏い、外側のみを水溶液にして雷が通る水と、空間ごと隔てられていた
なるほど――薄皮一枚ではない
だから貫通出来なかった、と
土に吸収された水溶液に繋がっているのを、雷が全てそちらへ流れ切ったこと、ケイトは水溶液には全く触れていないことも併せて確認した
一筋縄ではいかないな――
そんな考察をよそに、
「共鳴融合――!」
そう叫んで自らが右手に掴んだ刃状の水(神器)と一体化させながら物体以上のエネルギーと化させ、共に攻撃を繰り出してきた
ケイトの攻撃を、同じく雷と一体化させつつ触れるはずだった部位のみを擦り抜けて回避する。
勿論、皆を共にさせて、だ…
そして…皆には、必殺技を合わせて発動させる下準備を終えさせていた