第75章 神器、覚醒
総括
自分の思い通りの為だけに、人へ過度の迷惑を与える
だが、その迷惑を与えた人のことは考えないし、その人の為には動かない
癌とはそういうものを、正しいと思わせて「歪み」を与えて回り、「癌化」を促す存在なんだ。
すなわち、歪み=癌化
フィン「君は…自分の理想の為だけに、人を使い潰すことも、食い潰すこともしないだろう?
もし結果的にそうなってしまったとしても、その人へ気を遣って必死に動こうとするだろう?
そこが答えだよ
付き合わせてしまっている、付き合ってくれている
そう言って憚らず、その恩を返そうと、頑張ってくれるだろう?
自分だけ、なんてことは、絶対にしない←頭を振る
理想を受け入れてくれてありがとう
私の思い描く未来に付き合ってくれてありがとう
そう感謝しながら、迷惑をかけたかもしれないと、
付き合わせた人たち、迷惑をかけて人たち、皆の為になるように、
助けとなるように、
必死に頑張ってくれただろう?」
その言葉を聞く内、最後辺りでは涙が零れ落ちそうになるほどに、目が自然と潤んでいた
ケイト「…ぐすっ」
こくり
頷くと共に、涙が頬を伝う
わかっている
これは、嬉し涙だ
わかってくれた、理解を指し示してくれた、それが嬉しくて泣いているんだ
頑張りを――認められない
そんな場所しかなかったから
そんな人しか、いなかったから
フィン「大丈夫…
君に、癌の要素がないのも一緒と言われたのはね
きっとそういうことだと思うよ?
その当たり前を、解してしまったんだ
欠落してしまったという意味さ」お手上げ
ケイト「そっか…ありがとう」
フィン「自分が出した犠牲を認めたくないから
身内が死んで、新しい環境に慣れる他なく
ただただ辛い時期を乗り越えなければならないことも
怒りも不満も、声を上げる余裕がないほどのそれをも
正しいと、優しいと、いいことだと、認識を「歪め」、
努力の方向性まで、自分の心を満たすだけ
それを続けたいが為だけに、減らしたり繰り返さないことをも、善性だと「歪め」、
それらの咎められるべき「堕落」を、
責められるべき点ではないと、攻撃する理由に挙げて、
想いも何もかもを無視した、勝手な攻撃までをも…善と「歪め」、正義とした
本気で、これら全てを正しいと思い込む、「救いようのない存在」なんだ」
