第75章 神器、覚醒
フィン「それこそ
『勝手で、勝手に扱う』、というものだろ?(お手上げ)
勝手で、全部を勝手に扱うから、地獄に落ちる」肩すくめ
リヴェリア「当然の報いだろう
救うのはいい、守るのもいい
だが無責任だけはダメだ
取ったからには、責任を果たす覚悟も必要、不可避だ
何もせず許せと強要されれば、された側の感情はどうなる?
殺された側は、喪った側は、一生向かい合って生きなければいけないのに…何故笑う?」
フィン「僕も、そんな集団とは距離を置くべきだと思うよ?
自分の仕出かした事の大きさもわからず、
何もしないまま、自分の中身を見ろだなんて、おこがまし過ぎるよ」
ティオナ「いっくらなんでも酷過ぎない?その人達」
アイズ「うん…平気でいられる理由が、わからない」
精霊王「何も知らないから言えるんだ
と宣うだろうが…
その台詞をそのまま突き返してやりたいのお」
ティオナ「それ!ホントそう!!」
ケイト「あの時…
ケイト「理由があるんだから許せ
そう求めるのは至極簡単だよ
だって、自分の都合でずっと振り回されてろ、って強要してるだろ
理由さえあればやるんだろ?やれるんだろ?居座れるんだろ?
そんな人がいられたら、どう思うよ?
自分でやったことを棚上げして、何もしないで許せはねえだろ
何もかもをやってから言え!
自分の都合の為には出来て、そいつらの為には出来ねえのかよ!!
もう…お前らが、わからないよ……」
集団へ言ってから背を向けて歩いていく中で、私の額の中で、声がした
諦めるな――
ケイト「どう、諦めなければ…助けられるんだよ……」
魂が言っていた
その言葉との板挟みで…
ぽとっ
ケイト「何も…助けられないっ」
涙が頬を伝って、落ちていった
誰もいない裏路地で…
ケイト「私は…何も、守れないっ
霊感があっても、力があっても、心があっても、なんの役にも立たない
ただの――役立たずだ…っ」震
咽び泣き、震える背に、雨が降り出した
フィンが寄り添ってくれるまで
たった一人で…
どう在っても、無理なものは無理
わかっていて、それでも助けたいと願う自分
ぐちゃぐちゃにこんがらがってた…」俯
フィン「ああ――よく、覚えているよ」ぽんっ←ケイトの頭に手を乗せる
なでなで
あの時のように、寄り添い、頭を撫でた