第74章 融和
ごおっ!!と音と共に、力が奔流となって駆け巡る
そんなケイトを前に、僕は笑った
振り切れたかな?
そう思う最中…ぽつりと零した
ケイト「人を、行動を、支配するよりも
人の立場に立って、された側の気持ちを、想いを考え、
尊重し、寄り添い、汲み取り合える、そんな理想を目指すべき
それだけでよかったんだよ
それを怠って堕落して、それごと正しいと信じ切っているから、癌化するんだね
神々『そう!!!!!』
被せ気味に言われて「?」が消えた…;
ケイト「ありがとう…ごめんね、時間がかかり過ぎて
神々『気にしない!!必要なこと!!!』
ケイト「癌化を防ぐ最大のコツは、
『された側の立場に立って、別個の、自分と同じく一人しかいない、唯一無二の、欠かせない存在だと捉えて、その気持ちに寄り添い、大事にすること』
それだけだったんだよな…」微笑&遠い目
始祖神『それこそが、『融和』に欠かせない軸でもあります』
ケイト「うん…←天を仰ぎ、消えた魔界を見やる
私…一生、忘れないよ…?
何があっても――絶対に
繰り返させない」真剣
そう言い切るケイトに…僕等は深く、頷いた
始祖神『微笑)…
教えた末での、この結果なので…あなたが気に病むことでもありません。
本人が、自分で、正しいと信じて、全てを否定してでも貫いた結果なので
ね?』
フィン「微笑)ああ…
そうだね」
伏し目がちに頷き、微笑して返した
それにケイトもまた、微笑して返した…
ありがとう、と――
これでようやく…かな?
前を向いていけそうだ……
そう、自然と思いがよぎり、微笑が零れ落ちた
異世界での戦い…
ケイト「力は、お前の思い通りにする為にあるもんじゃない!!
無責任に掻き回すだけならやめろ!
苦しむのは他の奴等なんだぞ!!
人生も!生死も!何もかも!!
滅茶苦茶に掻き回されて終いだ!!
人のせいにするぐらいなら最初からやんな!
そんなもんで…救われて……本気で嬉しいのかよっ…」ぽつり涙←苦しそうに顔を歪め涙する
本当に――本当に、長い戦いだった
終わりの見えない道
どこが一番重要なのか、何を守れば守れるのか
正しさ、優しさとは何なのか…先の見えない道筋の中で、ようやく掴み取った…
もう――迷うことはないだろう――――