第2章 冒険者・1日目
それから後は、泣いて泣いて泣きじゃくるばかりだった。
それをアイズは抱き締め、リヴェリアは頭を優しく撫でてくれた。
その咽び泣く叫び声に何事かと覗いてくる人達がいたが、例の映像をロキが見せて把握させた。
ベート「腐ってやがる」ちっ
ケイト「え?私が?」ぐすっ
ベート「そっちじゃねえ!!街の奴等に決まってんだろうが!・・」かっ!
どれほど言われようとも、態度を変えようとせずにいるそれら(街の人達)に対する私の姿勢は変わらなかった。
ロキ「…ケイトはもう何が辛かったのかもわかってへんのかもしれんな。
辛い出来事があまりにも多過ぎて、ショックが深過ぎて、それまでの記憶が吹っ飛んでしもうたんやろ。
最後のあれをきっかけにな」
リヴェリア「ああ。龍神様が激怒するのも無理はないだろう」
フィン「理不尽もこれほどまで貫けば呆れる外ないね」溜息
すると、背を撫でてくれる人が多かった。
中には抱き着いて「いいことあるよ」「大丈夫だよ」と言ってくれる人までいた。
その温かさが嬉しくて…泣き疲れたのか、気付けば寝ていた。
その過去を思い出したことが要因となって、悪夢を見た。
過去のフラッシュバックで、小さい頃からされていた嫌なことのみが
その当時の感情と出来事のみが一気に雪崩れ込んできたもので…
叫び声をあげながら飛び起きて
「助けて」と泣き喚いた時に掛けられた言葉、それによって転機が訪れる。
フィン「大丈夫。家族だから護るよ。
ここには君を傷付けようとする人は一人としていない。安心していい」
肩に手を置いて紡がれた言葉に、私は心から安心した。
アイズ「ケイト…私達は何度でもケイトを護るから、助けに行くから。
だから、私達が危なくなった時はケイトが助けて。
それが仲間(ファミリア)…だよ」
ケイト「…うん…ありがとう」
その後、安心して…眠りについたはず、だった。
夢の中で、自分にとって家族とは何かを考えていた。
そして答えを出した。
私にとっては、あれでも大切な家族だと。街の人達もまた、護るべき人達だと。
今ここまで大きくなれたのは、何かを学べたのはその人達のお陰だから。
だから私は、何をされてもやり返しはしなかった。これからもするつもりはない。
そう決めてからの行動は速かった――