第74章 融和
アイズ「納得いかない…」むす
リュー「まさか…裏で、こんな」唖然
憤慨を露わにしていた
リヴェリア「確かにこれは…守る為とは言え、度が過ぎている;」
ガレス「やり過ぎじゃ
全く違う人がしていると思うだけでこれとは…;
信じ難いの」
フィン「だが事実だろう?」
アイシャ「まあ…流れとしては全く同じだね」
椿「………
何故こんなのが好きなんだ?;」
ベリアル「さて…
お前の思い描くベル・クラネルなら、あんな時、彼はどうしていた?
現実の姿が見えていないだけだと知れ」
ケイト「待った、まだ肝心の部分がされてない」
フィン「ああ、そうだね
じゃあ最後にウィーネのそれを言おうか
ウィーネを子供、ベル・クラネルを親だと仮定して…
戦う力を持った子供を狙う敵対勢力を敵、
戦う力を持つものを警備員、
そうでないものを一般人としよう」
『…』ごくり
思わず身構える皆から視線が集まる
あるものは正座し、またあるものは楽に座ったまま、静寂が包み込んでいた
フィン「さて…あるデパートでの話だ
敵対勢力が、子供の命を狙ってきた
子供は半狂乱になり、泣きじゃくりながら、周りを壊して回り、傷付けて回った
ここは暴走していただけだから仕方ないとしよう
だが、問題は親の方だった…
子供を止めようとするもの、攻撃しようとするもの、近付くものも攻撃し出したんだ
一般人、警備員の中に紛れ込む敵、それらを牽制する為だろうが…
商品も壊し、店も壊して回り、滅茶苦茶にし、
現場の近くにいただけの一般人も店員も傷付けられ、怪我をし、
倒れた陳列棚によって押し潰され掛け、死に掛けるものまで出た
敵は、一般人も、店員も、警備員も、傷付けて回って等はいなかった
子供と親だけを確実に狙っていた
全てを、実際に傷付けて回ったのも、壊して回ったのも、滅茶苦茶にして回ったのも、親と子供だけなのだ
警備員も、誰もが、一番無理をしてでも止めるべきは『親』と認識しており、『命の危機を無作為に与えて回る凶悪犯』という認識でしかなかった
だが、彼は示した
口々に責められる中…自分は何も間違ったことはしていない、自分は被害者だ、と態度で、はっきりと
謝罪をしたとしても…自らが傷付けた人にでも店にでもなく、
自分の家族にのみで、それも家族に迷惑を掛けたことにのみだった