第74章 融和
アイズ「癌化って…一体何なの?」
フィン「癌の思想に染まることだよ」
リュー「癌の思想とは…何ですか?」
ケイト「んっと…
無責任で、勝手を押し通しておいて
その責任も何も感じず、取らないで背負わずにおいて、
平気な顔をして、正しいと主張し続ける思想
…と言うか、『感覚』のことじゃない?」
フィン「ああ、それに近いね
思想から抜け出すのは簡単なことだ
違う人で置き換えてごらん?
こちらではちゃんと法整備されているけれど…
そうだね…
会社同士の、競争としよう
競争を実現させる為に、社長の命令で動いた会社員達により嫌がらせをされた
それで勝ったら、ベル・クラネルを寄こせというものだった
で…勝つ為に一人の会社員、ルアンを拉致監禁して、
自身の会社員をルアンへ変装させて、騙し討ちをして勝った
会社は倒産させられ、財産も何もかも取られ、
やっとの思いで解放されたルアンは、社長によって会社という会社に通達され、会社員になることさえも出来ないようにされた
母が使い潰され役立たずと言われ過労で死ぬ間際、母と約束をしていた
『立派で偉大な会社員になる!母ちゃんはこんなすっげぇ男を産んだんだって!!役立たずなんかじゃねえって!!!証明してやる!!!!』と…
だが、それも果たせぬまま…
ゴシップやらで『裏切り者』と叩かれ、差別と偏見の目しか向けられない毎日の中、
住んでいたアパートから追い出されたルアンは、やっとの思いで辿り着いたカフェで雇われることになり、
それでもなお誤解は一生解かれないまま『裏切り者』と言われ続け、その裏でベル・クラネルの一団は喜び続けましたとさ
といった感じかな?」
リュー「流石にどうかと…;」
アイズ「…;」
フィン「君の思う彼は、誤解や偏見とやらを解いて回ると思うかい?」
『』こくこく!
ケイト「それが違うんだよね…;」
フィン「表向きだけさ、助けようとしたのは
結局、裏切り者と言われ続けることを彼は望んでいた
自分というより仲間の手の内を知られたくないから、背を向けて思考を放棄した
だからせめてもの罪滅ぼしにと、ケイトへ相談してきたという訳だ
原作の彼はもっと酷いよ?
ルアンの冒険者としての生命を、人生を奪った後、
それに我関せずを貫くばかりか、全くもって意にも介さなかったのだからね」嘆息
