第74章 融和

フィン「それと同じで…

無理に手を加えたって
付け焼き刃にしかならない

どんなに頑張ったって、その人自身にはなれないのだからね

どう逆立ちしたって、天地が引っくり返ったって、同じことさ

経験が違うのだから、どうしたって違いは無に出来ない
応じて価値観も基準も異なる

結局は、自分のやりたいようにやるものだよ


自然のままが一番さ

だが、自分を磨くのではなく、人へ求める、押し付けるばかりだ
そこを正しいと思うより、より自分を磨き上げて生かせる人物になろうと思わなければ、成長には繋がらない」

ケイト「癌は…成長しない」ふむふむ


フィン「いい意味で自然に手を加える
試行錯誤して、これが合うか合わないか、
ちゃんと本人に合うように、考えてから、行う

悪い意味で自然に手を加える
自分にとって都合のいいように何でも荒らして放置して、それを正しいと、いいことをしたと認識する

前者が君で、後者がベル・クラネルだ


いい人なんだと言われたとして…

「それは、君の、理屈だろう？

された立場に立って考えてみたらどうだい？
仕方ないで荒らすだけ荒らされて、自分は悪くないと主張を曲げないまま、何も無しに立ち去られていったら？


はっ←嘲笑

それは、君達の認識であって、された側の認識ではない！

彼のしたことを、された立場という経験を持った人間ではない
安全圏から言われたって意味はない、意味を持たない」

そう言い返してやればいい


自分の目を、心を、信じるんだ

人は、その人の理屈で動いている
白と言えば白、黒と言えば黒なんだよ、どんなことであってもね

その理屈を変えるのは、そこら辺にある石ころをダイヤモンドに変えるのと同じぐらい難しいことだ


不毛だよ
時間の無駄だ

考えるだけ無駄なんだよ

コントロール出来ないんだ


正しき心で、悪しき心で、と君は言うけれど
どっちも結果と、その後は同じなんだ！

悪いと思ってない！減らない！害する道を選ぶ！手段を選ばない！周りの迷惑をかえりみない！


共通点があるとするなら…
どちらも、自分が正しいと思っている所だね

同類なのにね」ふっ←鼻で笑う

ケイト「あー…納得した」


ティオナ「何々？何の話？」

ティオネ「シー！
今いい所だから邪魔しないの」

後ろが騒がしいが、気にせず説明を続けた