第74章 融和

肩をすくめながら言う僕に…ケイトは瞠目した


君は…いつだって
害する行為を取る際、決して人を、物事を、理由にはしなかった

した行為全てに責任を持ち、
自分のしたことでもないのに、自分が招いたかもしれないと責任を感じ、
少しでもそういった負のスパイラルへ向かわないよう身を案じ、徹底して考え続けた



だからこそ…『今』という形がある



フィン「ケイト…守ると言うのは、その時だけ守ればいいというものではないんだ
見境なく、形振り構わず、傷付けて、壊して回ることでは決してない。

『守りたいと感じたものへの必死な想いと行動、清らかな心』からだから、
やった全てが、破壊行為が、裏目に出た実害までもが、正しい、無罪となる訳ではない。

実害を負ったものも生きているのだから、怒りを感じるのは当たり前だ。
避けられない。

その後、その先で待つ反響も考えれば、どれが一番大事なものを守れるか、
わかり切ってるそれを、考えもせずに行い、それを正しいと主張し、正しいと思えと求め続けることでもない


どんなに優しい人にだって、悪い所はあるさ

そこを見れなくなった時、
成長は止まってしまうんじゃないかな

どんな事情があるのかわからない
そこは誰もが同じだろう？


誰かが暴れていて危ないって時に
暴れてるのがどこの誰かなんて情報が頭に入るかい？

それが周知されてから逃げろと通達されるか？
知るよりも何よりもまずは生命の安全、避難を誘導するだろう？

素性が知れるのは、事が全部終わった後さ

そのせいで、様々な迷惑が掛かる


唯一の家族が、息を引き取る間際の時だったならどうする？

風呂に入ってる時、トイレ中
そんな時、勝手で暴れられて、傷付けられたいかい？

大切な時間を、誰かの手前勝手でぶち壊されて、笑っていられるか？

それも無償で←お手上げ肩すくめ


起こる事柄も、タイミングも、
何もかも、自分で、勝手で、決められるのか？

向こうの時も事情もわからないのに、勝手にされたいか？


誰もが生きていて、みんな一緒なんだよ

それをするしかない、なんて時は誰にだってある
人だけは許さず、自分だけは許してだなんて、おかしいだろ？」

それにケイトは黙ったまま何度も頷いた
納得した顔で


静かに、耳を傾けて、僕を真っ直ぐに見て、真剣に聞き入ってくれていた