第74章 融和
ラーニェが抱き締め、レイが抱き締め
アーニャ「心配ばっかりかけて!!許さないニャーーー!!><;;」
ケイト「ごめん!ごめんって!;」あわあわ
力が入らないようで、未だぐったりとされるがままにしているケイトを
微笑みながら見守る
皆がわんわん泣きじゃくる中…
オッタルもガレスも笑みを湛えていた…
無論僕も、で…
だが…涙が滲まずにはいられなかった…
こんなにも…
必死になって動いてくれるものに恵まれた……
それだけでなく、今度は…守られる側に回っている……
やっと…やっと、だ
これまで…
たったの一度も、助けを求めたことがあっただろうか?
無かった…
たった一度さえも
だからこそ…感極まってしまう
問題は山積み
…どう在っても救えないものを、どう救おうと言うのか……
諦めにも似た念に包まれる中…
『どう転んだとしても、癌の魂だけでも消される事態は確実』という現実が、変わらず去来する
存在そのものが消される類の「癌の魂」は、
どのような魂が宿ったとしても、癌となる選択を自ら取ってしまう「人格」を持つもの
この場合、「沢田綱吉」と「ベル・クラネル」に限られる
そして…それに染まって、一緒になって暴走し、その手助けをするものをも、消される対象となる…癌に染まり、追従し、癌の魂になった為
癌の魂に合わせた世界もまたあった…
だが、世界規模である分、
今度は…癌の魂を製造する世界となってしまう。
要約すると、癌の魂が人であるのに対し、世界規模のもの。
すなわち、癌の魂製造世界となる。
そうなった場合…世界の規格はいずれも同じ為、
癌の魂とその一団達による「他への食い物(侵食)」に伴い、全ての世界の中でも早く耐え切れずに自壊してしまう。
それを防ぐ為、というのもあるのだろう…
本当に逼迫した状況でなければ、世界ごと消されるという事態にはならないが…
それが…
「家庭教師ヒットマンREBORN!」の世界と、
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の世界。
いずれも、
街を壊して回って滅茶苦茶にし、人を見境なく傷付けて回った、「直接的に手を下した立場」にある「癌の魂」が犯罪として処理されず、裁かれもせず
間接的な要因になった人だけが処罰を受け、裁かれる
そんな世界だ――