第74章 融和
歌手として――
レイ「手がなくとも
繋げなくとも
通じ合える強さ、優しさ
与えてくれた
乾いた心に、光と共に水を差す
抱き締めて言った
見つけた
見つけたのは私かあなたか
閉じ込められた私
異形の私
(フードを脱ぎ去り、露にする)
それでもあなたは言うの
心あるものは、人と――
あなたのお陰でまた、羽ばたけるの~♪←中空を飛び、舞い踊る
ありがとう
はばたける場所をくれて、ありがとう
(大好き――)
本当に…ありがとう
(ケイト)…人を信じさせてくれて
…私に、空の居場所を与えてくれて
本当に…ありがとう…」微笑&歌いながら愛しい目でケイトを見やる
ケイト「ずびっずびびっっ
えっえっぐっ!」
号泣必至だった…;
そして…うん、完全にほの字だ
完璧に惚れている
だがそれを指摘する訳には行かない!!
これ以上重婚者を増やす訳には行かない!!!!
そう思って神の力を身に付けるまでは、と遠ざけていたのだが…
レイ「わかったわ」
ラーニェ「わかった
身に付けさえすれば、また共に居てもいいのだな」
うん…どうやら、本当に、本気で、神の力を身に付けてしまったようだ……;
約束は違わない、
違えば…死んでも許さない、地獄の底だろうがどこだろうが追い掛けて殺してやる、死に物狂いで消してやる
と、いった目で睨視されているので…
この件に関しては本人達に任せる他ない;
ああ…止めたはずなのに……;
ダンジョン内だから、神になれば迷宮が活発化し倒される可能性も上がる
どちらにせよ、あまりにも過酷であることは変わらない
だからいずれ諦めるだろうと高を括っていた、大丈夫だと思っていたんだが…;
認識を改める必要がある…
酷く、厄介だ……;
フィン「まあ…それを今言い出すのも野暮か…;
折角頑張ってくれた訳だし…)
抱いてやってくれ」
ラーニェ「…っく←僅かにしゃっくりが上がる
ああ」
アイシャ「……
もし…もしも、ケイトが、ベル・クラネルを、ヘスティア・ファミリアを助けたいと思ったのが発端なら
助けようとしたせいだと言うのなら…それを願ったせいでなら…
だとしたら…
この仕打ちは…あんまりじゃないのかい?神様」
嘆くように天を仰ぎ、彼女は呟き涙した
それに皆頷いた