第12章 手伝いと修業
ひゅううううう
風が優しく包み込むように吹いていた。
夜の明かりがさす中、ケイトは屋根の上に居た。
アイズ「【目覚めよ(テンペスト)】、エアリエル」
とんっ!!
一気に風と一緒に蹴って隣まで登っていく。
体内の魔力の操作を意識すると、瞬間的に身体能力が上がっていた。
たっ(ケイトの隣に立つ)
アイズ「…なに、してるの?」
ケイト「?アイズか…
都市全体のそれを感じていた。文字通り全身としてさ」
アイズ「?…今では、ケイトにとって簡単なことなのに?」首傾げ
ケイト「ははっ。
難しかろうが簡単にできるものだろうが関係ないんだよ。
簡単なものをより自然にできるか、無意識に常時発動できればもっと応用範囲は拡がる!
もっともっと先を目指さなきゃ、必要となった時に使えなきゃ意味がないんだからさ」
アイズ「……うん…そうだね」
ケイト「今やってるのは、魔力に意識を共有化させて拡げることで感知により精密さを上げる修業だ。
迷宮で使えればマッピングの必要はなくなるからね」にやり
アイズ「!…そういう使い方もあったんだね。
私は…まだ身に付けてないから、そのことに気付けなかった」羨望の眼差し
ケイト「!…//そんな眼を向けて来られると…照れるな//」もじっ
アイズ「十分凄いと思う」キラキラ
ケイト「…ありがとう^^//」
アイズ「……実は、尋ねたいことがあるの」
ケイト「?何?」
アイズ「……何で、そんなに強くいられるの?」
ケイト「へ?」ぽかーん
アイズ「…何で……全てを失っても、あんなに強くいられたの?
何で…あんな人達を、護ろうと思ったの?」
一つだけ、疑問だった。
どうしても、消えてくれなかった。
あの日、必死に駆け付けたあの時…
あなたを殺そうとしている人達を、あんなに必死に護っていたのかが。
どうしてそんなに、全てを奪った人達まで護ろうとできるのか。
私には…まったく、理解できなかった。