第73章 キルアの冒険
ケイトの実父は…同じ轍は踏まなかった。
歪んだ愛とは言え、まだ生かすようにしていた。
だがいじめっ子は違う。その先のこと等考えてはいないし、どうでもいい。
実父でさえ守っていることが出来ず
それでありながら、公共機関から罪に問われず、全く咎められず容認されていた。
更には周囲の誰からも庇われ、増やすやり方を容認され、続ける羽目になり、被害者の傷も心も無駄にする在り方を敢行することになる。
様々な要因が絡んだ結果、沢山の条件が重なった結果、奇跡的に起こった不幸な事故だと思っている。
しかし、それによって…
魂が癌化し、周りも誘導されて癌化し、世界そのものに歪みを齎す『起点』となった。
それが…『癌の魂』だ――
やってはいけないことを、やってはいけないと思わないこと
ブレーキが無くなること
悩まないこと
それらもまた要因の一つでもある。
癌の魂となった沢田綱吉とベル・クラネル…その両方に重なっている部分は2つ――
・公共機関からも誰からも咎められず、何の罰則も受けないこと
・誰もが庇い、守る為に無関係のものを犠牲にするやり方を繰り返し、続けること
沢田綱吉はたまたま警察が機能していなかったことで成立
ベル・クラネルは背景を知っていたギルドが率先して動いて庇うことで成立
しかし…被害を受けたものは皆、生きている…
それも、なんの罪もない、何も沢田綱吉にもベル・クラネルにも害を与えていない立場で、急にされ、続けられた…
怨まれて当然とも言えるし、それに何も感じずに繰り返すことは…「不幸を振り撒く在り方」としか言えない
『繰り返す』のは、犠牲も傷も何もかも無駄にする、起こった事象そのものをも『殺す行為』と捉えている。
よって…当然の成り立ちとも言える……
キルア「え?ケイトの第一系列、火もあんの?
水と逆じゃん!」
ケイト「うん。
正確に言うと…本質となる水の球の内、直径の3分の1の球が紛れてる感じ」
フィン「ちょっと待ってくれ;
その機械は一体なんだ?一体どこから出した?
というより…第一系列とはなんだ…?;」
ケイト「あー…
今から説明するね?
魂の本質となる中心点のこと」
フィン「……‥
まずは魂という概念から話し合おうか;」
理解が及び切らなかったので、話を詰めていくことにした