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Unlimited【ダンまち】

第73章 キルアの冒険





ケイトがルアンを知ったのも、
ベルに最初に修業を付けた際、ベルからルアンのことを相談されたのが起因でもある。
だからルアンはそれほどヘスティア・ファミリアを憎んではいない。

ケイトの身の上、取った言動に感化されたのかもしれない。


危なっかしくはあるが…確かにカッコいいと思う。

漢気と言ったらいいのだろうか…
筋を通す、という点では一貫しており、一般市民を決して巻き込まず守り抜こうと終始している。
敵相手でも本当にすべき相手か、そう負わせるべきか、負わせるとしても気絶のみ。

頼れるのだが、全て一人で抱え込み勝ちな点が玉に瑕だ。
だが…愛するからこそ、安全でいて欲しい、負担を最小限にしたいという…そんな水臭さもまた、力になりたいと掻き立てられる美点でもある。

「『誰かの不幸の上に』成り立つ幸せ」よりも、「『誰かが不幸にならない』幸せ」を取る。
全てにとっていいようには無理でも、悪くないように最低限を見極めて守ろうとする。
誰かを犠牲にし、得た幸せ等…幸せではなく不幸でしかない、不幸しか呼ばない。そう断言しているし実際そうだとも言える。


恐らく…実父と沢田綱吉の影響だろう。
並盛町民へ、いつ壊されるかもわからない、暴れるかもわからない、そんな恐怖に怯える生き地獄を常に与えている。
そうしてでも仲間を取る道を選んだ、何を言われようとも…と好意的に捉えていた。

だが、実際は違った。
己の中の思い込みで、人の気持ちがわかる、痛める人だと勝手に虚像を作り上げ、それのみと向き合っていた。
そのことにも気付けないまま、地獄落ちにさせたくない、魂の時間が長いから苦しみばかりとなる事態を避けたい、そんな一心でいくら教え諭した所で、思い通りに動かしたいだけだとまで言われる始末…

そんな人だとは思わなかった…だが彼の本質はそうだった。
それでも好きだった…大好きだった…だから何とかしようとした。

だが…そんなことは、どうにかなる要因にさえならなかった……

なんの助けにも、なるはずも無かった……


まあ仕方のないこと…

あちら(原作)のベル・クラネルもまた…
そう遭わざるべき人を巻き込んで不幸にしているが…その後始末よりも、最小限にする為の努力よりも、自らのしたいこと=英雄像と強さの為の努力しかしない。
それこそがズレなのだが…誰もそのことに気付かない。


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