第12章 手伝いと修業
緊急連絡用の端末は常にロキに持たせるよう仕事に行く前にフィンに渡したし
3つの通信機にも各々裏側に緊急の赤いボタンつけてかかるようにしたし。
あと遠征で必要なものって言ったらこれだよね!!
ケイト「ちょっと待って。修業に入る前にちょっとだけいい?」
フィン「?どうした?」
ケイト「新たな発明品、無限収納バッグ~♪
馬車の底が抜けそうだから作ってみた!
中に入れた量に関わらず重さは増えない。大きさも変わらない。
おまけに中のものを取り出す時はイメージするだけでいける。
ついでに言うと一つしか取り出せないから注意してね」
フィン「…有難いけど人目に触れない場所で教えてもらおうか^^;」
ケイト「でも遠征で使うんだから知っててもらわないとでしょ?」
フィン「抜けてるんだか抜けてないだか…^^;(苦笑)
わかった。遠征の時には馬車に付けておくからそれに纏めて入れるように。
君のことだ。食材でもいけるようにしているんだろう?」
ケイト「当然!
入れた時点から中の時間は止まるようにしてるから出来立ての料理を取り出すこともできるよ?」
『おおー!!!』
フィン「やっぱりか^^;(嘆息)
わかった。それでも料理は食材から料理をしてもらいたい。
やはりその場で作ってこそだと個人的に思うからね。
ただし、帰ってから売りに行く時には別のバッグや荷台に積んでから頼むよ」
『はーい』
ケイト「よし、了承も取れた!修業に専念するぞー!!」
フィン「ケイト」
ケイト「ん?」
フィン「ありがとう。お陰で遠征も今までとは段違いに早く終わりそうだ」
ケイト「お互い様だよ。いつも助けられてるんだから。
大丈夫だって想えること、信じられる人がいること…すっごく大きいんだからね?^^//」ぎゅっ
フィン「…//
成長したね、本当に//」
槍の持ってない左手を取って両手で握り締める中、目を細めながら嬉しそうに笑いかけられた。
そんな中、皆もまた…どこか穏やかに笑みを浮かべていた。
『また二人きりの世界に入ってる』という眼もあったのは言うまでもない。