第70章 新天地
だから消されたんだろう?
魂も、霊体までをも、その存在、概念全てを…
と話を纏めた後、切り替える為に話題を転換した。
キリがないし、話したくもない人物だから。
何より、話が進まない。
そんなことをするよりは、息抜きをして欲しい。
前に進む為の原動力にする為に…英気を養う為にも…
まあ…ある意味、整理にもなったからこそ…これほど簡潔に纏められるようにもなったのだろうが……
フィン「さて…
君という人物の大本もまた、整理できた。
自分ならいくらされても耐えられるから、だなんていうのは無しにしてくれよ?」
ケイト「はーい」
どうせ議論をするのなら、と…先程考えたことを尋ねてみた。
ケイトなら、どういう答えを出すか、気になったのだ…
一番大事なのは…何なのだろうか……
正直者が馬鹿を見る。
そんな世界で、虐待や理不尽に常に晒されながらも正直に生きる姿を…
懸命に、人に、同じ痛みや苦しみや哀しみを与えまいと、自らを諫め殺してまで努力する姿を…
何故「悪」として…人は、笑うのだろうか……
ケイト「そういう不浄の念を持つことじゃないの?本当の悪って。
人は大体がそういうのを持ってるよ。
裏で嵌めてやるとか殺してやるとかやりたいようにさ…
実行に移すほどに不浄の念を持っていて、よりやらないよう自制出来る余裕のある環境にいて、人を犠牲にしても、不幸にしてでも、自分だけでも幸せになろうとする奴。
動物で言う所、弱肉強食とか縄張りとか…縄張り争いの国とか。
結局の所、動物より知恵が回るだけ、力が強大になって被害者が増えてるだけ。
人間と動物の相違点なんてその2点だけじゃない?同族殺しも含めて…
食わないのに殺すなんて、人間しかやらないよ。動物よりタチが悪い」
フィン「あはは…そう来たか^^;
確かに…そういう所が目立つね、人は…
ふむ…←顎に手を当てて考え込む
うん、人と動物の境はそのあたりかもしれない。
後は会話できる点か…」
ケイト「たとえ言葉で明確に表現出来ても、肝心の意思疎通で尊重し合えてるのは動物の方が主じゃない?
排他まではしないよ?」
フィン「する時だってあるだろう?」
神殿内、懺悔室…
異空間部屋で、防音もしっかりされているここで…
大いに議論を交わし、意見をぶつけ合っていた。