第70章 新天地
逆に何故僕でなければいけないのか聞いてみた…
ケイト「本当は…何人でもいたんだよ…
私のことで、死ぬことも、殺され掛けることも、傷付けられることも、心の底から喜ぶ人達は…
何人だっていたんだ…
でも…初めてだったんだ…
こんなに近くにいて、泣いてくれたのは…
どこ探しても、どこに行っても、フィンだけだったんだ。
だから…フィンでなきゃ、嫌なんだよ……
知ろうとしてくれたから、見ようとしてくれたから…決め付けずに、いてくれたから…
代わりなんてどこにもいる訳ないじゃんっ…(涙)
私の一番は、もう…あの時からフィンただ一人なんだよっっ」ぼろぼろ
ぎゅうっ
不意に、想いが零れ出て、涙が落ちていった。
それよりも…ただ、泣きじゃくる彼女を、抱き締めたかった…
フィン「ケイト…ケイト……
僕は…果報者だ。
一番になりたい人の、一番になれたこと。
一番だと想ってくれていることもっ…」ぼろぼろ
ケイト「私だってそうだよ。えっぐ」ぼろぼろ
そう抱き締め合うこと数分…
気分を切り替えて、視察も兼ねて遊びに出ることとなった。
あれこれ率先して研究もしているらしく…
皆がより便利に、より快適に、幸せに過ごせるように頑張っているそうだ。
本当に…ケイトらしい…
そう思いながら、笑みが自然と零れた。
といっても、今の所は分身に任せ切りらしい…
研究や、そういった開発をしたい自分に全権を委任して任せているとのこと…
他の分野も多岐に及んでしたいことをさせてもらっているそうだ。
なので…フィンのこと以外何も考えたくない、フィンだけあれば何でもOK、フィンさえいれば何でもいい。
そういう欲求のみが残ったという…
ただでさえ本能で生きているきらいがあるというのに…;
ケイト「フィンわっしょい!><//」キャー!←諸手を上げる
フィン「…喜ぶべきかどうするべきか…;」目を逸らす&腕組み
僕もわけることを真剣に考え、同様に実行に移すことにした。
まあうまくやるだろうと踏んでのことだ。
その折、昼ご飯を食べていないことに気付き
豊饒の女主人コクーン分店に寄って昼定食を注文し、共に食べることに。
美味しいと思った時、自然とお互い、互いへ、あーんを時折し合い、食べ進めていた。
その間、テレビがCMを流していた…