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Unlimited【ダンまち】

第69章 文明開化





極端な話、『力を用いての在り方』に注意すること。

剣(自由さ、強靭な意思)
鞘(慈しみ、慈悲と慈愛)
身(人の心、力の使い道)
これら三つの在り方が信頼へと繋がる。

人となりを知るに必要不可欠な『三種の神器』と呼ばれることとなった。


前置きが長くなったが、常日頃の言動が口先だけにならないことは最重要事項だ。



最初からわかっていればとケイトは嘆くが…
「たとえ最初からわかっていたとしても見捨てないだろう。君の性格上」と伝えると
「あ、そうだね。本当に」と気付いたようで…実にあっさりと引いた。

その時を境に、やっと踏ん切りがついたらしい…


そうして、未だ流し切れない僕へ「時が解決する」とまで言い出すまで回復したようだが…←3265ページ参照



散々力で支配に等しい扱いを受け、命も都合も弄ばれた身としては遺憾の意を隠せない。

嘘を付けないと言った方が正しいかもしれない。

いくら注意しても道理を説いても箸にも棒にも掛からぬ有様に、死んだのが身内でなければ申し訳なさも感じない身の振り方に
幻滅し、信頼そのものを亡くし、『人ではない』と感じさせるには十分過ぎるほどだった。


それは僕だけでなくケイトも同じなのだが…
反面教師とする、殺されたエレナの死を無駄にさせない、で、認識を改め落ち着いたそうだ。

全く理に適っていない横暴。人の心を持っているように感じない。
大事なものさえ守られれば、人扱いしなくてもそれは正しいのか…ということに観点を置いている。

後々協力を得たいのならば尚更。


いくら言っても聞かない。聞けという意味合いではないのだが…
される側の気持ちさえ分かれば自ずと動くだろうと期待して取った言動。

しかし彼は逆を取った。いくらでも、何度でも…



力を振るうべきは、大事なものを守らなきゃいけない時だけ。
それは正しい。

だが…それで押さえつけられている、踏み付けられている人の心や気持ちまで、無視していい訳ではない。

踏み付けられている人もまた生きている。
別の人生を歩み、その道を選び、それ相応の経緯があり、異なる価値観を抱き、生きている。
それを己の都合で好きにしていい理由に等、決してなり得ない――

それは、人の心を亡くしたものが取る手法だ…



『誰にでも心も気持ちもある。人の心を捨てればそれは悪だ――』


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