第69章 文明開化
ケイト「そっか…
うまくいくことを祈ってよう…
どうか、好転しますように…」
フィン「そうは問屋が卸さないのが世の中だけれどね…」嘆息
ケイト「そこは同感だけど、世の中のそれには辟易するねえ」嘆息
フィン「本当にね…はははっ^^;」苦笑
ケイト「世の中は残酷なもの…
でもそれを作り出しているのは他でもなく、人間だ――
少しでも…減ることを願うよ……」
そう呟く中…同盟国でもうまくいくよう、裏で行われていた。
天災以外の災いは…人が作り出す。
それを如何にして防ぐか
無益な殺生を、争いを、どう減らしてゆくか…
結界がなくとも出来る方法を模索し、神国研究省でも議論が重ねられていた…
そうして出された結論は…
誰かがやっているからと、やって裁かれるべきでないという認識にある。
一人一人の心掛け、たとえ誰かが破っても破るまいとする意志が必要。
しかし…欲に塗れ、それで他へ求めたり動かなければ人ですらないと喚く人も中にはいる。
『鞘の心を忘れぬよう、自らを戒めること。
他へ慈しみを持ち、至らぬ部分を異なる点、個性として認め、流すこと。
それらを守れぬならそれまでだ。
大まかに守らせ、後は見切りをつけるしかない』
そう結論付けられた。
それでダメなら、いくら諭したとしても無謀。
時間をいくら割いたとしても無益。
いくら訴えかけても無駄な人は必ずいるのが、この世の実態だ。
0には決してならない。それもあって初めて人なのだろう。
学ぶ為の修業だというのに…
生きねば…その一点においては誰もが同じで、共生を目指すべきだというのに…
神国で虐待やDVが愛あらば出来るかと問われれば出来ない。
理由は…「己の自由に、思うが儘に動く道具が欲しいから」という根本的なもの、そういった一個人の弱者へ対する欲求に基づく問題だからだ。
ただの暴力暴言、横暴に他ならない。
神が作りし世の理を理解し、神技術を網羅する。
高度な知性をも具えており、他への『思いやり、慈しみなどといった精神文化』を、『神国文化』として有している。
しかし、争いや怨嗟や災禍を自ら呼び寄せる我の強い存在は穢れと結界から処断され、存在すら知れず生涯を終えることとなる。
身を守る術は結界しかない為、それ以外で入れるものは他のことを考えられるもののみとしている。