第68章 騒動
戦場のイメージは作者プロフィールにあるホームページ先の画像参照
国王(鬼才だ…僅か16でこれ…
人も虫も切り捨てられぬ…だがそれ故に必死に考え、犠牲を最も少なくした…
皮肉なものだ…切り捨てた要因である短所が、これほどまでの戦果を齎すとは……
もし軍門に入れば双方共に犠牲を出さぬ見事な将として大成しただろう…
もし蔑ろにしていなければ…いや、もう遅いか)
第2王子「父上!何故あのような奴に
国王「黙れ!!主に初陣で出来るのか!!?
主の初陣は大人の指示を受けてようやく動くものでしかなかったであろうが!!」
2「!」びくぅっ!!身を震わせる
国王「あやつは初陣だ!
しかも16で!大人の指示も一切受けずに己で考えてだ!!
500名もの軍勢を率い死傷者を3名のみに抑えられるのか!!?考えてから申せ!!」
2「……ちっ」そっぽ向く
国王「私に王として出来るのは…
王家として組み込めないのならば、同盟を結び、攻め入られないようにすることのみ!
実に惜しい…勿体ないことをした…!」ギリッ!←歯噛み
第3王子(勝手にもう役目は終えたとばかりにクレタ島の神殿へ追放したのはそっちだろうに…)嘆息
島を領土として貰い受け、王として納めるよう仰せつかってから数日後…
思った通り、敵国から再び戦が持ちかけられることはなく、敵国から同盟を持ち掛けられ、同意。
無事、同盟を結ぶこととなる。
千もの数の圧倒的優位を逆手に取られ、怒涛の如く渓谷へ押し込まれ、無上の敗北感を悉く与えられたあの大戦は…後に『渓谷の悪夢』と呼ばれた。
ケイト「そうして53の時、私は死んだ。
50の時…島を、本島を離れたことを、今では心より良かったと思える。
お陰で…数多の良縁に恵まれたから」しみじみ
フィン「……随分と、大変だったんだね」
ケイト「そのお陰で皆とこうして巡り会えた。
今となっては全てが僥倖…感謝しかない。
これでよかったのだと、笑える時が来る…
そうなるまでに生きていかなければならない…
考え方も…受け入れ方も…成長させながら……
でもあの世の理は一つしかない…
だがそれを受け入れてくれるものは…非常に少ない。
皆と共に…これからも歩んでいきたい。
死んでいたら…もう、こんなことも出来ないから」
そう僕は唇を奪われ、即座に奪い返した。