第68章 騒動
たとえやりたくないことでもしなければ世界という概念が理ごと全て消えてしまう。
そこに存在した魂全てまでもが!
その汚れ役を買ってくれている神に応えられなくて、何が神の子だ!!
この魂(私)も、皆も、全て神の子だ!
胸を張れるように在れなくて、どうする!?
私は…――生きてやる!!
そう想いを露にし、口に出した。
神の想いも、それを受けてのケイトの想いも…十二分に伝わってきた。
人として生きろ、と――
マヤ「あんたのようなタイプは、人を蔑ろにしないのと同じぐらい自分を蔑ろにしないこと。
自分を大事にするのは、そこからでいい。
他は、自分を蔑ろにしないのと同じぐらい人を蔑ろにしないこと。
それだけで大事にしているのと同意義になる。
あんたみたいなのは希少だがね…
人の成長を促す為、忠告するのはいい。
だが決めるのは本人だ。あんたの人生だなんて思うんじゃないよ?
全てを懸ける覚悟の上で関わった所で、相手は真偽に関わらず好きに捉える。大事になんてしちゃくれないんだからね。
勝手に地獄落ちさせときな。自分で取った言動の報いなんだから。
出来る範囲だけに留めて、あんたはあんたの人生に集中するんだ。
あんたの為に、生きていいんだよ」
ケイト「はい!
ありがとうございます!」お辞儀
フィン「……吹っ切れた、か」
ケイト「うん!」微笑
精霊王「手伝えたらどうしていた?」
ケイト「自分のことに集中しろと、神様が言った。
なら…神様が幸せになることを祈る。一日一日、欠かさずに…
いつも見守って下さっているから、出会わせてくれたから、気に食わないことでも大事な学びとさせる為に与えて下さったことだから。
私は…応えたい。学ばせてくれた全てに…
でも私に出来るのは、その幸せを願って動くことぐらい。下手に関わりを深めれば傷付け兼ねない。
傷は、付き合いが深ければ深いほど深まる。だから…そうなってもいいと思えるだけの、大好きな、大事な人。
互いに歩み寄れる相手とだけに絞るよ。
人の人生に、関わるということだから…
ってことで!精霊神様に相談してもいい?」
フィン「?何をだい?」
ケイト「アイズのお母さん、アイズの魔法【風(エアリエル)】の中で眠ったままでしょ?」
フィン「ん!?」ピシリッ←驚愕硬直
テロップ『寝耳に水』