第67章 躍進
リヴェリア「必死で守り抜いたというのにな;」ケイトの頭なでなで
フィン「ケイト…例の神が言っていた言葉を覚えているね?
「相手以上にし返せば、それはただの『理不尽』だ。
与えられさえすれば、人へ『された以上に』与えていい理由にはならない。
同等に返して、両成敗なのだ。それ以上に一方のみがやればそれはただの残虐行為に外ならん」
だから…彼には、もう何もしないでいる。そう僕は決めていた。
見限り何もしないようにしていた。
あくまで君への助言に留めて、君さえ無事ならとだけ…それだけを想って、行動していた」
ケイト「うん…;」ぐすっ
フィン「全体を平等に大事にするのと
仲間想い、特に仲間以外を軽視するものは、全くの別物。
対価も与えないまま、一方的に力を搾取するだけ。更には後も永遠に借りる気満々。仲間という体のいい言葉でただの利用を正当化するばかり。
そこまで行けば…消さなくて当然とされる方がおかしいと、わからないか?」
ケイト「わかってる…でも、今は…まだ……
もう、結果に繋がるってことは確定事項に移ったらしいし」
リヴェリア「だとしてもだ。
それで…お前が傷付けられ続けて、振り回され続けてきた事実は変えられないだろう?
お前がどれほど人がいいかは知っているが限度がある。
傷付けられること以外、決して返っては来ないというのに
何故…それほどまでに、傷付けてくるものの幸せを願う?
何故…報われること等、何一つとしてないのに……そう在れる?」
ケイト「報われることを、望んではいないから…
私が、望んでいるのは…
人が…私と同じように苦しめられないこと、そして…幸せになることだから…」
「「……・・」」瞠目
懐が深いとか、母性が強いとか、そういう次元を逸脱している。
お互いケイトへ、そう印象を抱いた。
リヴェリア「やれやれ…治りそうにないな、この馬鹿っぷりは」苦笑&溜息
フィン「ンー…そうだね(頷)
どうでもいいから一人になる、というのも違うだろうし」
ケイト「どうでもよかったら最初からここまで考えない。
考えずにやりたいようにやってるさ!
話しかけるなり傷付けるなり殺すなり何なりさ!」ぶすっ
リヴェリア「絶対しないだろうな」くす
心外だとばかりにぶんむくれるケイトに、新鮮な光景に僕達は笑った。