第67章 躍進
そうリヴェリアは跪いたままのケイトへ跪き、目線を合わせ、涙を流すケイトを優しく抱き締めた。
リヴェリア「私には…長年生きてきたというのに、それが出来なかった。
いくら殺されかけたとしても、殺そうとするものを背に守り抜こうと奮闘する。
そんなお前が、眩しく、温かく…本当の英雄というものを垣間見た。
外に出て、一番見たかったものを…この目で、初めて見た。
それだけではない…
お前はありとあらゆる可能性を考え、窮地の時の助けとなるように…あらゆることをし、生み出し、助けになろうとした。
緊急馬車(148~152ページ参照)から始まり、宝具を作って治療院へ渡し(326ページ参照)、行き場のない存在達に役割と居場所(空中都市)を与えて…言い上げていけばキリがない。
そればかりか…終末神の時まで、滅神の時までも、お前ひとりに頼り切りだった」
ケイト「ぶんぶん!!!)←頭を振る
お前達がいなきゃ…私、頑張れなかった;」ひぐっ!
リヴェリア「私は…些細なことでしか、これまで報えなかった。出来なかった。
だから…押し掛け女房のような形で押し込んだ。
そうしてでも…お前の支えに、一助になりたかったのだ」
ケイト「もう十分なってるよ!!」
リヴェリア「ああ…お前にとってはそうだろう…
が、私にとっては別だという話だ。
私だけではない、結婚を選んだ全員がそう思っている」
ケイト「…え?
でも…アイシャや、椿とかは?
そんなに普段から関わっていないし、お手伝い出来たことなんて」
リヴェリア「椿に関しては、色々と鍛冶で手助けをしただろう?
そしてアイシャは…お前へ惚れたと言っていた。
豪快かつ、自らの立派な行いを鼻にかけず、他の不幸を恐れて考えをやめない一貫した…
そう…私が焦がれた、英雄たる姿勢に…」
ケイト「…」瞠目
リヴェリア「お前は…人の心を突き動かした。
それだけにとどまらない。
人の痛みを常に優先し、自ら歩み寄らず、相手のタイミングでぶつけられる心に、甘んじて受け入れ、その幸せをただ願った」
ケイト「だって…見ず知らずの人から急に話しかけられても、したいこととか、予定とか、都合とかあるし;
知り合ってもないろくに知りもしない人だと、何が気に障るかわかんないのに合うか合わないかもわからない、長時間縛られるって…辛くない?;」