第11章 雪と真相
ケイト「瞠目)き、ず?」ひっく
ロキ「そや。
はっきり言って、自分だけが「自分を赦せん!」っていう自己満足に近い。
でや、ケイトの話を聞く限り思ったんやけどなあ…
ケイト、人を傷付けるのは今でも怖いか?」
ケイト「うん」こく
ロキ「それはなんでや?」
ケイト「え?」呆気
ロキ「そやから…何で、傷付けることが怖いんや?
いっぺん頭まっさらにして考えてみ?」
ケイト「………
同じになるのが、怖い。同じ痛みを与えたくない」
ロキ「そやなあ(こく)
でも違う。
今お前が考えとるんは、それだけやない。
さっき言っとったやろ?
お前はただ傷付けたことが赦せないだけや。
で、傷付けんと帰ってこれん。それでも傷付けたくない。
傷付けないと、傷付けて倒さないと。その矛盾や。
確かにお前の持つ傷と深く関係しとる。
そやけどなあ…どんだけ考えても出るわけがないんや。
自分で自分を迷わせてるだけなんやから」
ケイト「……」
ロキ「やからケイト、悪いことやと自分を責めるのは確かに大事や。
でも…それで大切なもん見失うな。向き合うべきもんとちゃんと見ろ。
過去を引き合いに出して目を逸らすな。今から心を移して誤魔化すな。
過去は絶対変わらん。
痛い思い出や出来事を思い出すだけならやらん方がマシや。
グダグダ解決せん方向に考えるより、前を向き。
世界は拡い。先は長い。ここは明るい。狭ない!
ケイト…生きや。今を生きや。
過去は変えられんけど、今は変えられる。
うちらがおる。皆がおる。街の人達はおらん。絶対に会わせん!
せやからな…ええ加減、前向き。
過去の傷やそれに囚われんで、自分の考える間違いをせんようにし。それだけでいいんや。
お前のあれは、帰る為に必要なものや。
帰りたいか、傷付けたくないか。天秤にかけてお前は選んだ。
そして勝って帰ってきた。それでええんや。
考え込む必要もない。よく帰ってきた。戻ってきてくれて、ほっとしたんやからな?^^」
ケイト「っ…;;」
ロキ「泣き虫やなあ、ホンマ」なでなで
アイズ「そこがいい」こく
泣きながら打ち明けたそれは、容易く皆に受け入れられた。