第66章 穢れ
リヴェリア「あいつが空中都市で、あの理屈を法律としたのは…
あの世に行った後に、その理屈を神々から押し付けられるからだと言う。
「そんなものは現段階で霊格が高くない人には無理だ!」
そう私は言ったのだが…「それでも……霊格の高い人は、霊格の低い人の勝手気ままさに振り回されるばかりで…損をする人以外いないから」と言って聞かなかった。
いつも…いつも……他人の為に、あの世に行った時の為に…経験を付けさせる為に、憎まれようとも構わないと示し続ける。
「いじめられる方にも問題がある」「いじめる方にも都合がある」と言われれば
「自らの娘と息子がいじめられた末に自殺して、その亡骸を前に同じことを言え。お前達のその発言は、それほどに残酷で、愚かなことだ。当事者、死んだ遺族や友人達の気持ちを少しでも思うのならば、そんな馬鹿げたことは二度と口にするな」と言う始末…
挙句の果てには…「どんな環境にあろうと、自らしたことの責や後始末は、した人が負うべきだ」とまで言い、あの世の理屈を諭す。
あの世に行った時、責を感じなかったこと、繰り返させないよう努力しなかったことの罪が増え、重くなることによる地獄落ちを少しでも軽減する為に…
どこまでも、どこまでも……
どうして…そんなに人のことばかり考える。
何故…何もしやしない人達のことを、そんなにも想える?
愛してもいない人にまで…何故、そう在ろうとできる?」
フィン「…して欲しかったから、さ」
『!!』
フィン「…そういう人が、いて欲しかった。あって欲しかった。
頼れる人が、身近にいなかった。話せる人すらも居なかった。理解してくれる人もいなかった。
嘘だと言われ、罵られ、好きなように言われ、決め付けられ、助け等一切合切ない。
そんな環境で…ケイトは決めた。
自分だけでも、そう在ろうと。
されて辛い想いをしたのならば、同じ言動や行為は死んでもすまいと。
理屈じゃなく、そう思ったらしい…
ケイトに…何故そんなに優しく在れるのか、誰であっても見捨てないのか、尋ねたことがある。
すると教えてくれたのは…前々世の父となってくれたセレネとの出来事←2736~2739ページ参照
そして…前世での父上と母上のことだった。
誇りに思うと、言っていたよ。
未だ私の軸は…白呪術師(王)だけでなく武士なのだと」