第65章 新たな冒険
ケイト「えっと…つまり、悪質な洗脳…?;
それ…利点?;欠点?;どっち?」
フィン「利点さ。
犯罪者ギルドを作り統括する上では最適だよ?
汚れ役を高報酬でさせるのにも最適だ。本人が自ら自分の意思でしてくれる。
しかも精神も壊れない奴隷兵士のように、いくらでも疑いなく殺して正義だと言い張ってくれる。
だが周囲の目もあるし、風評も避けられないだろうから、彼を組織に入れることはおすすめはしない。
内から瓦解させられるばかりか、彼をトップに置こうと持ち上げて数にものを言わせてそうさせられる。
そして持ち上げられている彼本人にはタズナを握る力もない、それによって起こった事態に対して責任を負う覚悟も彼にはない」
ケイト「なるほど、気を付けておくよ」メモメモ
フィン「重々ね。
二つ目は…国民となれば第二勢力を作り、拡大し、国をかき乱される。
しかも自分には責任はない、捕まえられるのを邪魔したことを『悪いことは何もしていない』とまで言う始末だ。
タズナを握れなかったことも含めてね。ただ仲間を守っただけだと。だから俺は何も間違ってないと。
君も覚えているだろう?
彼のいる世界、自分が作った国で起こされたクーデターの件で思い知っただろう?」
ケイト「うん…
仲間思いだが、他は大事にできていない。
殺された人がそれで増えた。その責任を感じていない。
知った後に聞いた一言が、フィンのさっき言ってた一言『』だから…
暴走する仲間、正確には下っ端達…その一人を助けようと戦い出した。
下っ端達はクーデターを成功させる為に殺し続けていった。それを止めようとする私達に抵抗した。
それに伴い…死人は増えた。と同時に、その家族は哀しみに暮れ、心に傷を深く深く刻み込まれた。
子供のみ生かされ、親を目の前で殺された者はざらにいた。
それらの事実を教え、子供達が抱えた傷、精神的外傷や心痛、PTSDやフラッシュバックを訴え、殺しを助ける行為をした責任を問うてみれば…『』と……仲間を守る行為は間違いではないと……(拳握&震)
人の命を何だと思っているんだ!?
背景を、傷を、何だと思っているんだ!!?
多分…傷が……蔑ろにされ続けてきたから…余計、譲れないんだと思う。
国王を固辞し続けた時、ある言葉を受け、私は国王となった。
覚えてる?フィン…」
フィン「ああ」