第65章 新たな冒険
フィン「他者との違い、人によること、それを自由のままにするということは…相手を大事にするということだ。
思い通りに動かすことじゃない、他の有事の際に力を貸さないがこちらの有事のみ貸して欲しいという手前勝手なものでもない。
迷惑をかけた場合謝りに回る。
それは人として最低限の礼儀だ。
だが、それすらも自分の勝手にさせろと考える輩もいる。
それとは違って君のように傷により出来ない障害を抱える者も居る。
在り方は多種多様、個人の自由。それを理解しているからこそ、君は何でも受け入れる。
早い話…子供か大人か、の違いなのだと思うよ。
大人としてちゃんと付き合っていきたい。
道徳理念を自分の都合のいいように置き換えて正義ごと捻じ曲げる人とは付き合いたくはない。
子供のように見えない振りをしてし続けて疑問も感じない。それでは駄目だし、指導者が必要だ。
きちんと指摘できる、正せる人がね。
それがいないのだから仕方ない。寧ろいないことを好む輩だっている。
だから…君は、大人なんだ。
純粋さは丸っきり子供なまま、大事に想い、考え、見ようとし、必死に相手の為に在ろうとする。
ひとりにする相手ばかりだったから、余計拍車がかかったんだろうが…そこも美点だと僕は思っている。
周囲の都合に振り回されているように見えて、それが見ていてイライラする人もいるのだろうね」
ケイト「う~ん……」
フィン「まあ…僕は気に入っているよ。
もう少し気兼ねなく接してくれると嬉しいな、と思っていた。
それがこんなに早く出来るようになるとは思ってはいなかったし…正直望み薄だった。
それほど、君の傷は深いし…それに縛られた時は長かったからね…
だから…そんなに気にしないで大丈夫だ。
君は…君の都合で人を動かそうとはしない。
人を動かすとしたら、そこは危ないとか、地獄行きになってしまう…そういう緊急性を、不幸となる未来を見据えての心配だ。
そこに見返りなんて求めていないし寧ろ逆だ。大きなお世話だと理解しているし思っている、自覚している←2494ページ参照
純粋な善意からそう動ける、想える人は非常に希少なんだ。
大事にして欲しい、そのままの君を…その上で自分を愛せるようにも。
僕が愛する君を、君自身も愛して欲しい。
これは僕のエゴだけれど」
ケイト「…わかった」