第64章 新たな指摘
ケイト「?が?」
フィアナ「読者にまで、おかしいと思う感性をおかしいと思わせる程の『強制力』及び『魅了』ということです。
色んな意味で次元を超えてます。
彼の心の成長を描くと言っても、殺しても自ら自首しようとしなくなってる現実が示す成長は…最早退化。
それも…話の流れで何事も無かった風にし全く動じず堂々と受け入れること、周囲全てにそう強制的に動かさせることで、そんな人じゃないと、不自然じゃないと、強く思わせるよう誘導していますし。
まず彼の周囲に、将来の危険性を見据え意見する「忠臣」も、本音で語り合える「共感者」も、疑問を抱く「者」もいない。
正確には発生しないよう『意図的に』造られている。
彼に只管付き従う『従』しか周囲におらず、彼の言動を冷静な立場から評価できる人間がいない為、所謂「主人公マンセー」に陥り続けます」
ケイト「なるほど…
自我が無ければ飲み込まれると;
あったとしても半分は飲まれるってことだね」
フィアナ「はい。そうなります。
彼は普通にいい人なだけ。
後悔するのはいつも自分のことばかり。人のことなんて考えない。
考えることがあるとしたら、窮地が迫っているとわかった時のみ。害されると『目前に迫った時』以外はない。
これから先のことや、迫ったらどうしようと考えたり、予測などは決してしない。
自ら修業しない、防ぐ為に元敵へ歩み寄ろうとしない理由はそこに当たります。仲間のことで怒るのは普通レベル。
本当にいい人なら、人のことをもっと深く考えるし、失敗=周囲に迷惑かけたと即座に思い至り悩んでしまいます。
あなたのように…事ある毎に、周りに迷惑かけたかも嫌な思いさせたかもと思い悩んだり自分を責めます。
と言うか…あなたの場合、優しいという次元を逸脱しています;」
アスフィ「敵にすらあれですしね;
決して殺さず傷付けず気絶させるだけ、その後も分け隔てなく元から戦いなど無かったように優しく接して
ノアール「普通恨んだり悪感情を抱くわ;」
ケイト「悪いけど…目指す所が違うから。
私は、いい人や優しい人であろうとしている訳じゃない。
あの世に行った時、悔いはない、頑張り切ったと胸を張って言う為だ。
その為に…動いているだけに過ぎない」
『あなたは周囲を自由に動かさせ過ぎです』断言
ケイト「…;だって束縛したくない;」