第64章 新たな指摘
フィアナ「そういう類の人達はね…そんな人ではないと主張するように促し、周囲を味方につけて堂々としている輩ばかり。
それも無意識下で。
自分で気付けて、変わろうと頑張っているなら…最初から地獄落ちに等、なりはしないわ」真剣
ケイト「…知ってる」俯
フィアナ「それでもどうにかしたいのでしょう?」
ケイト「…(頷)
だから……
……私が皺寄せを何とかする(真剣)
父の皺寄せは死ぬほどやってきた。我慢なら慣れてる!(ぎゅっ!)←拳を握り締める
誰かに…させるなんて真っ平だ!!」フィアナの双眸を睨視
フィアナ「あなたばかりが抱える必要はない。
あなたが抱えるのは御門違いよ。
これは『神様の役目』、あなたがどうにかするものでもないわ。
神様でもどうにもならないのだから、消すしかない。
理を乱す、悪い方向に持って行くバグでしかないのよ。
あなたもまた、バグ…
それも…悪影響を及ぼす彼とは全く違って
善の影響を及ぼす、全く逆の、極めて異質な存在なの。
だから…ぶつけたのよ。
せめてもの気付く機会を…贖罪の機会(チャンス)を与える為に。
蜘蛛の糸に出てくる細い糸のように、あなたという存在を。
それを掴まなかったのは、彼が自分で選んだこと。
あなたが決定出来る訳もない。
決定権も無ければ、どうにか出来るはずもない。
『結果的には』世界を救った、それも『殺せばそうなると「知らない」時点』で『怒りに我を忘れて』殺した。
その上で、彼自身が罪深さに気付けるかを問われていた。
それが彼への課題であり、試練でもあった。
でもそれに気付かないばかりか、殺しを続けた。罪悪感も良心も痛めず、苦悩も後悔もしない。
そもそもが深く考えないタイプなのだから気付けなくて当然。
愚かにも…気付かせようと懸命に直走るあなたを、助けたいと必死に頑張るそれへ…何の仕打ちをしたか忘れた訳ではないでしょう?
助言者、助力者、忠言者の役割のあなたに、必死に果たし続けようと尽力するあなたに対し…彼は殺し、無下にし、下に見、扱い続けた。
『助けようと奔走するあなた』へ、「不快な思いをさせる為に文句を言う下郎」という認識を抱いたのよ。
そして…彼の洗脳、悪質な魅了により、同様の認識を周囲へ抱かせていた。
山本というまともで気付けていた存在も、僅か半々になる程強力な…ね」