第64章 新たな指摘
その時点、既に止めどなく落ちていた涙が…不意に堰が切れたように遠慮なしに溢れ出してきた。
それにつられてか…私の境遇か感情を想ってか、アスフィも涙を零しているように見えた。
堪え続けてきた涙まで溢れ出る自分の涙に…ようやっと、出ることが出来たことに喜び打ち震えるように。
途中から、リューとティオナも抱き締めてきた。
私達の日なのに、とも愚痴が零されていたが…現状からやむを得なさそうに受け入れてくれていた。
ケイト「…ぐすっ」
アスフィ「……落ち着きましたか?」
ケイト「全然;」
アスフィ「なるべく話し出さないようにしている理由は?」
ケイト「自分が話している間、他の人が話したいことを話せなくなるから。
私はその立場にいたから、家庭では。
だから、それを与える人に、なりたくないんだ」
ティオナ「切実過ぎる;」
アスフィ「気遣い過ぎでは?;」
リュー「気疲れが体に出てますが;」
ケイト「辛い想い、させたくないから。
一方的に聞かされるの、辛いだろうし。そう思って、言わないようにしてた。
でも、聞きたいって言うから…話し出してたら…段々と止まらなくなった;
嫌な思いしてない?;」
「「「してない!」」」
ケイト「よく見られたいだけなのかな、私…;」う~ん
リュー「本当によく見られたいのなら
積極的に相手と関わります、相手の迷惑も省みず。
相手の気持ちや心を重んじることが軸となっているからでしょ?
決して自分の為ではない。
波風立たず、穏やかに過ごしたいだけでしょう?お互いに」
ケイト「うん…でも、他の人がどう見てるかはわかんないから;」
ティオナ「気にすることないと思う。
だって…それでケイトが無理に合わせようとして殺していい理由にはならないでしょ?
もう…無理する必要は無いんだよ?求める人だっていないんだよ?
何でそんなに、自分に厳しく当たるの?
ケイトを大事に想っている人は…無理に人に合わせようと頑張って、潰れるまで無理をする姿なんて…見たくないのに」
ケイト「………そうなの…?」
ティオナ「当たり前じゃん!!」
ケイト「…そっか」俯
リュー「今私達にできるのは再発防止、それ以外はありません。
後は今日作り上げた協力体制を国々で拡ませる為、問題点を全て上げ、今後も続けていけるようにすることだけです」