第63章 新たな来訪
ケイト「私は…あっちの私はね?
彼のこと、何とかして助けたいと動き出したんだけど……
移動した方がお互いの為になるって思って、移動したんだけど………
裏目に出てさ…;
ほら、彼や周囲は求めてないし。
でも私自身はさっきも言ったように遺族達の気持ちがわかるから…それを流せない。
だから…離れるしかなかったんだ。
でも…神様からすれば…全員、彼のようになれば…殺しをした時点で世界中の人類は終わるらしい。
「俺はあんたを許さない!」の繰り返しで殺し合って、気付けば彼一人のみとなって、「会話も大事だったんだ!」で人類滅亡したんだって;
死んでも、あの世に行っても変わらない魂だから…どうにもしようがないってことからの決断だった、って言われた;
神様全員VS私と恭弥で、私も恭弥も別世界では神の力を得てたんだけど…
神の力同士をぶつけ合うまでもなく、一瞬で吹き飛ばされてったよ。
神様全員の同意がないとできないんだよ、こういうの;
世界の運命を左右するようなことは…
クズではない。
いい奴だと知っている。
でも…遺族達の気持ちを、どうしても無いものとできない。切り捨てられない。
急になった時の感情が、痛いほどにわかるから、痛切なほどに伝わってくるから。
その板挟みになっていて…存在を感じるだけで耐えられなくなるほどに悪化していって…移動するしかなくて…
気付いた時には、世界ごと滅された後だった。
踏みとどまっていて、急に移動させられた世界も半分あった。
どんなに抗議しても、受け入れられなかった。
「消される運命の魂もある。それが彼だったというだけの話。
寧ろ消さなければ世界の負荷が更に増え、とある日突然全てが崩壊し消えてしまう」って。
だから…約半分消せる口実として利用?
ではなく、元々がそういう定めだったらしい。
「忠言に発言権も与えない。
この世でやった分のツケが、あの世で纏めて返ってくる。
今までのツケを纏めて返しただけ、結末が見えている。これ以上生を与えるに値しない。
お前がいるから消せなかった」って、神様から直々に言われた。
「こちらの神の管轄だから口出し厳禁、手出し無用。
自分のやるべきことに集中しなさい」、というのが結論だとも…
どうすればいいと思う?;」
『引きずらないこと』異口同音
ケイト「はい…;」