第63章 新たな来訪
ティオナ「ただでさえ気疲れしやすいんだから、余計だよね…;」
アスフィ「それも気遣いをし過ぎて…;」
リュー「相手の意思や思考など、知らなければ読めるはずもないというのに;」
グサッ!
ケイト「…ごめん;」
アスフィ「それは何に対しての謝罪ですか?」
ケイト「………そういうことになるってこと、はっきりとは伝わってはいなかった」
アスフィ「今日滅ぼされたのだから当然でしょう。
それに伝えられなかったのも、神様の思し召しに他ありません。
あなたがどう考え、どう行動に移すか…それを試されている。
いえ、経験にさせる為にです」
ケイト「…うん……
お互いの為になるって思ったんだ。
あいつは、望んでなかったから」
アスフィ「知っています」
ケイト「…殺す気なんてなかったんだ。
私には…殺すことすら許されなかったから。
どれほどの覚悟で挑んでも、苦悩の末に苦渋の決断を下して殺しても…
天国行きの時点の内にいくら殺しても…その覚悟を、神様に踏みにじられた。
何度も何度も時間ごと巻き戻らされて、何が何だかわからなくなるぐらい…必死に挑み続けた。
その内…気付いた。何をしたとしても、それはさせてはくれないのだということに……
だから…決心したんだ。
この世界から離れて、別の平行世界へ行くことを。
神様自身が、彼の魂を世界ごと消すことを決断していたことなんて…知らなかった。
だからこそ、私に彼を殺させずにいた。
何度も何度も世界に干渉して、強引に変えていた。
そんなことにすら気付けなかった。
ヒバードとロール、私の狼のルゥと鷹のピューイを連れていっていなかったら…
きっと、それも全部消されていただろう。
だから…責任を全部、抱え込んでいたんだと思う。それも頑なに…
変に気になっていたのも、視界に入るだけで必ず反吐が出そうになるのも…
その世界の私自身の意識が強く働きかけているのだとも思う。
寧ろ、それ以外考えられない」
ティオナ「あー…だから、異様に彼について考え込んでたってことか」
アスフィ「整理がついてからこれですか;」
リュー「つく前では、知ったとしても意味が無いから。
そういった意図から、神様はあなたへわからないようにされていたのでしょうね。
神様が、自身の手で決着を付けるからと、自分で裁きを下すからと」