第62章 新たな邂逅

仲間の窮地に飛び込んでいけるのは凄いし優しいし、称賛に値すると思う…

あんな風に自由にやりたいように生きれたら、どんなに幸せだろうなあ…と、羨望したりもする。
自分と仲間の幸せだけ追い求めてればいいだけだし…

苦悩している人を踏み付けている自覚も無いまま…笑って、堪能できているし…


苦悩の果てに世界ごと殺そうとするまでに至った、その苦しみや感情の『深さ』を…
ただ力だけでのして、黙らせて終わりなら…寄り添わないなら…救われるのは自分だけ。
それじゃ…ただの無視で、いじめだ。

押さえ込まれた人からしたら、傷付くだけ。傷も何も癒えないまま、ただ傷が増えるだけ…
その人達は…泣き寝入りするしかないし、いつまで経っても救われない。

救おうとしないことを責めたい訳じゃない。

ただ…それに目を向けていないことが、哀しい。


自分達の居場所を守ること、幸せを堪能すること。

それしか見てないし…視野が狭いのが、幼稚なのが見ていてわかる。



私は…終末神との戦いの時…私の中にも、始祖神の闇があるから…全力で止めにかかった。
本気で望んでいないのが、わかったから…本気で壊すつもりなら…わざわざ、時間を止める意味も…私を殺さない意味も、無いから…

それまでの闇が報われるように、救われるように…祈ることしか、これ以上罪を増やさせないように、業が増えないように…死人が、哀しむ人が増えないように……
色々理由はあるけれど…やっぱり……私は、一つでも…闇や、哀しみに暮れるのがあったら…哀しいよ。


力を振るった先に…それが出たら、嫌だよっ」涙


フィン『ケイト』

ケイト「？」

フィン『その感性は、とても大事だ。

だが…誰もが持っている訳じゃない。
求められて持てるものでもない。


相手が変わるのを期待しては駄目だ。

どれだけ相手を想ってのことであろうと、本来地獄落ちすべき人でないと願ったとしても、コントロールしたいだけと思われるのが落ち。

人は、他人を変えることはできない。
自分が変わるしかない。

辛い、見過ごせないと思ったり、助けようと伝えたり動いた所で…誰も救われない。


救えない立場の人間なのだと、自覚をする所から入らなければならない。
前世の君の父上の仇、今世の君の生みの父、生みの祖母、いじめっ子とダブっているだろうが…

見限れ』