第62章 新たな邂逅
商人「でもね、お前達から見た正義…
それだけを無理に通せば――哀しみしか生まないよ
怨みや、怒りしか買わないよ…
痛みを与えるだけ与えておいて、力で強いたげるだけ強いたげておいて、正義面してるんだから……
たとえ与えることになろうと、国王は頭を下げられる人よ。
気持ち考えて、本人から聴こうとして、きちんと寄り添える、言動にも態度にも示せるお人よ。
良心が服着てる感じね」
彼「あ、確かに!」
「つぅか世の中知らねえんじゃねえのか?;」
「それはないと思うぞ?」
「何でだよ」
「だってさ、そうでないと国王はできないだろ?」
商人「彼女は…実の親に殺されかけたよ」
「「「!!」」」
商人「闇以外、何も与えられなかった。闇以外何も知らなかった。
それ以外のまともな人が1人でもいるだなんて幻想でしかないと思い込めるほどに…
外でも内でも理不尽を与えられ続け、される気持ちがわかるから理不尽を与えずにい続けた…
その中で疲弊していき、精神が壊れ果てていく中、唯一残ったのが…
彼女を唯一支えたのが、幼少から持っていた信念。
今の在り方よ」
「「「……」」」瞠目
商人「お前達…従うのなら、力を貸すのなら、どちらにしたい?
自分がしていることの意味、考えた方がいいよ。
その気がないと、本心から思うのなら…そう伝えたいと本気で思うのなら…
言動で示すしかないんだよ。
今後の言動で…」
そうして……彼等は去っていった。
診断を最後に受けた所…3人共に『本質』は青、だが…
実際に出ている『言動』のそれは真っ赤、悪意なく個人の理由(都合)で悪用(利用)していたという結果だった。
3人の中で唯一1番マシに見える快活な黒髪の少年は、黄色。
流されて攻撃してしまっていたのもあるのだろう。
「精進してくるな!^^」
そう快活に笑い返せるあたり、本当なら好青年なのだろう。
べりっ!←顔の皮を剥がす
フィン「済まないね。途中から代わってもらって…」
商人「いえ、ありがとうございます」お辞儀
フィン「君達では感情を隠せないからね。
うまく伝わるといいんだが…」
商人「本当に…本当によかったので?
あいつら、責められる謂れのないもの、正義と捉えれば、殺しをしたとしても、それすらも何とも思わない。
そう、診断結果に出てましたよ?」