第62章 新たな邂逅
アスフィ「してはいけない、駄目だという忠言。
地獄落ちになって欲しくはないからと、後の苦しみが見えたからこそ、より必死に…
それすらも…届きはせず、当の彼は否定から入るばかり。
自分とは違う意見などの存在を認めず、只管都合の悪いことは何でも悪として捉える。
挙句の果てに――…必死にどうにかしようと、相手を慮るが故に懸命に頑張るあなたを
蔑ろにし、今も笑って生きている。
地獄落ちするその瞬間まで…虫を殺した後のように安穏と」ギリッ
腹立たしい念が痛いほどに伝わってきた。
アスフィ「そして終末神から助けに来られた際に、謝罪も何もない…勝手な勘違いをして襲い掛かる始末」嘆息←1688~1690ページ参照
ケイト「でもまあ…
中々できることじゃないからね、仲間の為に窮地に飛び込めるのは。
そこだけは優しさだとは思うよ。他は知らないけど…
多分…そこが好きだったんだろうね。認めてもいる。
でも…地獄落ちにしたくなくて暴走したのも、私の悪い点かな。
フィンが悪魔って評していたのは、多分…悪気無く、悪意なくできてしまっているからなんだと思う。
でもまあ……せめて…伝えたかったことは、伝えれたよ。
「自分のやったことは、決して消えないし、消せないんだ。
たとえ忘れたとしても、どんなに時間が経とうとも…根底に残り続ける。
死後、もし…自分の取った行動について何か言われたとしても…
堂々と胸を張れる、責任を取れる行動をすればいい。
取る為に、その重圧を理解してでも背負うと決めたのならば
生きると決めたのなら、やればいい。
重圧も、気持ちも、何も理解しないまま、それを続ければ…犯罪した後何も感じない輩と同じになる。
それだけは…忘れないでくれ」
言っても…変わらなかった。
何も響かなかったんだろう。
変わらず、笑って、何事も無かったかのように安穏と過ごして…地獄へ落ちたよ。
やり切れないけど…仕方ない。
生みの父と同じように…地獄落ちを天国行きへは、どうしても無理だ。
1+1はどうしたって2、理を無理に変えるようなものだから。
その結果…どうしようもない世界を、増やしてしまった。
そのことが…悔やまれる。
私がしたのは…単に、大事な人だから地獄落ちで苦しむ姿が見たくないという自己満足かもしれない」
「彼の為でしょう!」
