第62章 新たな邂逅
ティオナ「そっか…」
ケイト「底さえ浅ければ大丈夫って訳でもなくてさ。
息継ぎの技能も身に付けないとなんだ。
底が浅ければ立ち上がればいいだけだけど、深い場合は違う。
出来るようになるにしても、慣れている時とそうでない時とでは、思った時すぐじゃなく差が出る。
だから…かな?
泳ぎを楽しみながら身に付けることで、溺れることへの恐怖を先に克服して、楽しむことを知って欲しいんだ。
で、気付いたらできてた。緑エリアが」
リュー「…人の為、ですか」
アスフィ「変わらずと言いますか…;」
ティオナ「でもケイトらしいよね」くす
ケイト「………」俯
ティオナ「?どうしたの?」
ケイト「……ザンザスの立場から見るとさ…
息子として継ぐ立場にあったわけで
本当の父親でないことを知って、それでも食らい付こうとして…
10代目という立場に執着して、色々苦悩があったんだよね…その、言動全てには……
けど……それを力尽くで止めた彼=沢田綱吉はさ…
「継ぐ訳ないだろ!?」
人から奪った道なのに、そうやって言うだけ言う割に手放さないし
「ひいいいっ!」
悪人だ怖い!って感じよろしく、ずっと距離置かれてたんだよね。
それでやっと呼び出しが来て、やっと自分から向き合う気になったんだなと思ったらさ…
「力を貸して欲しいんだ!」
目的は力だけ。
欲しいのは、求めるのは…それだけ。
それ以外の人格も何も要らない。そう言っているのも同然で…
私だったら…傷付くよ。
それも…唯一の道が閉ざされて、苦しんでる時にはさ…
何の手も差し伸べないし、気にも掛けなかったし
道を奪った、潰えさせた立場なりに気になったり責任を感じたりするようなものだけど…実際は、したりもしなかったよね…
そもそも…気になっていたり、やってて本当に辛いのなら、頼み方とか接し方に出てくるだろうし。
どの面下げて「力貸して」って言ってるの?
そして何で、貸してもらった後で、感謝も謝罪も何も無しに
「力を貸してくれる仲間がいる!」で思い出す人達にさりげなく混ぜれるの?
自ら力を貸したこともない、歩み寄ったこともない、共に時を分かつこともない。
そんな相手に、何で求めるだけ求めて、もらうだけもらって、恩を感じたり、何も返そうともしないの?
ザンザス達が気の毒で仕方ないよ…」